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会社員は副業(個人事業主として稼ぐ)をすることで節税が可能になる
以前のコラムで、会社員の節税方法をご紹介しましたが、節税方法が少ない事もお伝えしました。では、会社員は多額の税金を払うだけの都合のよい納税者にしかなれないのでしょうか?必ずしもそうではありません。その一つの方法は、副業を始めることです。最近は、大企業を中心に副業を認める会社が増えていますので、副業が認められている会社員であれば、副業について真剣に検討することをお勧めします。私の顧問先にも、副業でお金を稼いでいる方がいますが、合理的な範囲で節税対策をおこなっています。
【目次】
- 副業で収入を得る必要がある
- 副業は事業所得?雑所得?
- 副業するとなぜ節税が可能になるのか
- 会社員では経費にできないものを経費にできる
- 社会保険の負担が増えない
- 小規模共済に加入できる
- まとめ
1.副業で収入を得る必要がある
一番のハードルは、副業でどうやって稼ぐかです。そこで挫折する方が大多数だとは思いますが、そこは頑張って検討して頂き、収入を得ることができる事業を決めてください。検討する際に参考になるのは、ランサーズなどの仕事依頼サイトを閲覧することでしょうか。みんながどのような副業をやっているかを確認できるので、自分ができる副業が見つかるかもしれません。問題点としては、ランサーズに登録されている副業は、ライバルも多いので、価格競争になりやすい点です。
ランサーズ
副業という認識がないかもしれませんが、競馬でお金を稼いでいる方もいるかもしれません。競馬(競艇なども同じです)で稼いだ場合、申告が必要となる場合があります。こちらも以下のコラムでまとめていますので、競馬でお金を稼いでいるのであれば、ご覧ください。
競馬で儲けている方は、確定申告が必要です。
2.副業は事業所得?雑所得?
副業として収入を得るようになると、次は事業所得なのか雑所得なのかという問題が生じます。この問題については、以下のコラムに纏めていますので、ご参照ください。
事業所得か雑所得か
事業所得として整理できると、①他の所得と損益通算できる(副業で稼ぐわけですので給与所得と損益通算する場合が多いでしょうか)、②青色申告特別控除を受けることができる、③青色事業専従者給与として、家族に払う給与を経費として処理できる、といったメリットを享受することができます。
3.副業するとなぜ節税が可能になるのか
1.会社員では経費にできないものを経費にできる
これが一番大きいです。副業する上で必要な支出が、経費として処理できます。例えば、以下のような支出です。大前提として、経費にできるのは副業で収入を得るために必要な支出であることは予めお伝えしておきます。
自動車、車保険、ガソリン代、車検代
マイカーを経費にできます。プライベート兼用であることが多いので、全額経費にすることはできませんが、仕事で使用する割合が70%であれば、70%相当を経費処理が可能です。マイカーを経費にできるって大きいですよね。私の顧問先も、当然に事業割合相当を経費として処理しています。
自宅家賃、水道光熱代
自宅で仕事をすることもあると思います。その場合、仕事で使用するスペース相当の家賃や水道光熱費を経費として処理できます。注意点としては、家賃を払っている場合に経費処理できるのであって、マンション等を購入した際に銀行から住宅ローンを借りている方が多いと思いますが、その借入の返済は経費処理できません。
交際費・会議費
仕事をする上で、取引先と飲食することはあるでしょうし、接待ゴルフに行くこともあるかと思います。このような飲食代やゴルフのプレー代は事業に必要な支出ですので経費として処理できます。しかし、個人事業主の場合、事業との直接関連性という論点がありますので、この論点については、以下のコラムを参照してください。
税務調査で問題となる個人事業主の経費について。事業との直接関連性とは
通信費
自動車や家賃と同じように、携帯代、wifi代といった通信費についても、事業で利用している割合だけ経費として処理できます。
このように見ていくと、会社員が普段支払っている支出の一定割合が経費として所得から控除できるのは相当メリットが大きいです。今お勤めの会社で給料を500万円増やしても、給与所得控除相当しか経費として認められませんが、副業で500万円収入を増やした場合、上記のような支出を経費処理することで、所得を圧縮することが可能です。しかも、下記の通り、給与所得控除は上限がありますが、経費処理に制限はありません。
国税庁HP(給与所得控除)
2.社会保険の負担が増えない
先ほどの例でいうと、お勤めの会社で給料を500万円増やすと、相応の社会保険負担が増えますが、会社勤めの方が個人事業でどれだけ所得を増やしても、社会保険の負担は増えません。これは、非常に大きなメリットです。この事は、別のコラムでも紹介していますので、ご興味があれば確認してください。
新規ビジネスを個人事業で開始
3.小規模企業共済に加入できる
細かな加入要件は、以下のサイトをご覧いただくとして、ザックリとお伝えすると、小規模の個人事業主と会社の役員が加入できる制度です。退職金の積み立てを目的としたもので、積立全額を所得控除として、所得を減らす効果があります。インフレリスクに対応できない点がとても気になるのですが、私も小規模企業共済は積み立てています。
小規模企業共済
4.まとめ
今回は、会社員が副業することで節税が可能である点についてご紹介しました。最初にもお伝えしましたが、稼ぐことができる副業を構築することが、非常に高いハードルとして立ちはだかるものの、そこさえクリアすれば、節税対策の幅がおおきく広がります。現在、政府は、コロナ対策としてお金をどんどん使っています。その反動で、政府はいずれ国民からお金を返してね(増税)という動きをしますので、増税対策として、①収入を増やす、②節税を図るという活動を、私たちはやっていく必要があります。