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2021.05.05 コラム解決事例(税務調査)

税務調査でよく否認される科目とは 個人事業主のケース

顧問税理士がついていない個人事業主の税務調査に立ち会うケースが多いのですが、その中で、かなりアグレッシブに経費処理される方が散見されます。今回は、税務調査でよく否認される勘定科目について、私が関与した税務調査の事例も参考にしつつ、検討してみます。個人事業主の税務調査は、複雑な論点はない場合が多く、売上除外、架空の外注費、家事費・家事関連費といった論点が王道ではありますが。

【目次】
  1. 売上
  2. 外注費
    1. 架空の外注費
    2. 領収書のない外注費、現金払いの外注費
  3. 交際費
    1. 一人で行ったと推測される飲食代
    2. 家族で行ったと推測される飲食代
  4. 支払手数料、雑費
    1. 元請の担当者へのキックバック(リベート)
  5. 消耗品費
  6. 地代家賃
  7. まとめ

1.売上

売上については、別のコラムで取り上げていますので、そちらを参考にしてください。
税務調査の相談等でみてきた売上除外のパターンとは

2.外注費

1.架空の外注費

外注費は、領収書を貰えないケースも多いという事も悪用し、領収書を貰えない外注費を上乗せして経費処理するケースです。私が関与した税務調査でも、過大な外注費を計上している方はいました。その中には、本当に適当にこれくらいかなという感じで概算で計上する方もいるので、仮装隠蔽を伴うか否かはケースバイケースです。

2.領収書のない外注費、現金払いの外注費

これは本当に多いです。特に建築業などは、現金払いでかつ領収書も渡さない方はいまだに多いようです。私の顧問先には、その外注が来てくれないと仕事にならないので、本当に払っているにも関わらず、経費計上せずに、自分で負担している方もいます。
領収書のない外注費を認めてもらうのがどれだけ大変かについて、お伝えしたコラムがありますので、そちらも参考にしてください。
税務調査で外注費を認めてもらうのは大変ー愛知県小牧市の建設業

3.交際費

個人事業主の税務調査で、必ずと言っていいほど論点になる飲食代です。個人事業主の飲食代は、税理士によっても調査官によってもスタンスが異なるので、売上や外注費とは違って、税務調査で結論が異なるのはよくあります。また、税務調査で誤った対応をしてしまうと、重加算税が課されるケースもありますので、ご注意ください。
社長個人の飲食費を交際費として処理したら重加算税か

1.一人で行ったと推測される飲食代

当然、一人で飲食したものは経費になりません。レシートを見ると人数が明記されているので、一人で行ったか否かはバレそうです。しかし、先日、同業の税理士と仕事の話をするためにファミリーレストランで食事をしたのですが、割り勘にすると、2人で食事したにもかかわらず、レシートは1名となっていました。この状況を悪用して、嘘をつくのはもってのほかですが、本当に誰かと仕事のために食事をして、割り勘した結果、レシートが1名となっているのであれば、それはしっかりと主張しましょう。そのように主張するためにも、誰といったかはレシートなどにメモ書きしておいた方が良いです。

2.家族で行ったと推測される飲食代

これもレシートをみればわかりますよね。明細にお子様セットなどがあればわかります。レアケースだと思いますが、取引先と家族で食事に行ったのであれば、経費として主張することはできます。

4.支払手数料、雑費

支払手数料や雑費は、よくわからない取引などが含まれていることも多く、金額が大きいと税務調査の対象になりやすいと言われています。私が関与した税務調査でも、別に悪いことをしていないのですが、雑費が多額だったこともあり、税務調査に選定されていました。実際に悪いことをしていないので、追徴課税は僅かでしたが。

1.元請の担当者へのキックバック(リベート)

このキックバック(リベート)の問題点は、元請に内緒で元請の担当者へお金を支払う点です。この支払ったお金は内緒のお金なので、当然経費として処理できません。もう1つ問題があります。仮に税務調査でバレたとすると、このキックバックは元請の売上となり、元請が売上の過少申告を指摘され、かつ重加算税が課される可能性もある点です。もしこうなってしまったら、元請から取引を打ち切られる可能性が大です。建築業などは、この悪しき習慣はなかなかなくならないようですが、元請から取引を打ち切られるという大きなリスクが内在することは知っておいてほしいです。詳細はこちらをご覧ください。
税務調査で、役員や従業員によるお金の使い込みがバレることも

税務調査において従業員不正が発覚した場合、必ず重加算税か?

5.消耗品費

交際費と同様、この科目にも家事費が含まれていることが多いです。よくあるのは、バックや洋服など仕事で使用することのないものが含まれているパターンです。日常で使用するものを経費に入れることは難しいですが、ユニクロだろうがワークマンだろうが、仕事でしか使わない作業着などは、経費として処理することが可能です(ユニクロは理屈が難しいかな…)。バックについても、仕事でしか使わない事が明らかなのであれば、否認される可能性もありますが、経費処理する理屈はあると思います。例えば、仕事道具を運ぶためのキャリーバックなどは、説明できますよね。しかし、私用でも使えるので、100%経費にするのは難しいので、事業割合を算定した上で経費処理した方が無難ではあります。

6.地代家賃

家事按分はよく指摘されます。控えめに計上していれば特に争点になりませんが、事業割合を40%とか50%設定するアグレッシブな方の場合、事実に基づき否認されることが多いです。個人事業主の場合、自宅で税務調査を受けることも多いため、その時に、調査官から40%はないよね、と言われます。これは仕方ないですね。家事按分については以下のコラムでまとめていますのでご覧ください。
自宅家賃の経費処理(家事関連費)について

7.まとめ

今回は、個人事業主の税務調査で否認されやすい項目についてお伝えしました。売上と外注費はスルーされることはほぼありませんが、それ以外の項目は、調査官次第でスルーされることもあります。調査官には件数のノルマがあり、時間的な制約がある中で調査していますので、全ての項目を精緻に調査することは不可能だからです。とはいえ、一つ一つレシートをチェックする調査官も一定数います。従って、スルーされるんじゃないかと淡い期待は抱かずに、適正な申告を心がけてください。確実に仕事のために必要であるとご自身で説明できるのであれば、グレーゾーンの経費を入れることは問題ないと思います。
また、今回は勘定科目という視点でお伝えしましたが、税務調査に選定されやすい個人事業主という視点でも別のコラムでまとめていますので、ご興味があればご覧ください。
税務調査の対象になりやすい個人事業主とは

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税務調査の料金やご利用の流れなど

 

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