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2021.05.07 コラム

税務調査で逮捕されることはある?

税務調査の無料相談を受けていると、私は逮捕されますか?と質問を受けることがあります。私たちのような税理士であればほとんどないよねとわかるのですが、一般の方はそうはいきません。やはり不安になるようです。脱税で逮捕されたというニュースなどを見聞きすることが不安になる要因なのかなと思っています。そこで今回は、税務調査と逮捕の関係についてお伝えします。

【目次】
  1. 結論
  2. 脱税で逮捕される基準はあるの?
  3. 逮捕されるまでの流れは?
  4. まとめ

1.結論

結論としては滅多にありません。少なくとも私は逮捕された案件に関わったことはありませんし、私が以前所属していた税理士法人は全国で年間200件以上の税務調査に立ち会っていますが、そこでも関わったことはないはずです。それ位逮捕されるのはレアケースです。従って、過度に心配する必要はありません。

2.脱税で逮捕される基準はあるの?

明確な基準はありません。しかし、脱税額が1億円以上だと逮捕されるらしいといった話を聞きます。国税OBと話をしても、確かに億単位だと逮捕されるかもねといった程度でした。多くの税理士(特に国税OB)のホームページも確認しましたが同じような感じですので、明確な基準ではないものの1億円を1つの参考値としてみておくのは、それほど実態と乖離していないのかもしれません。私が立ち会った税務調査の場合、トータルで数千万円の脱税をしていた事例がありますが逮捕はされていません。
しかし気になる点もあります。消費税の不正還付の場合、少額でも逮捕される案件があるようです。最近のニュースだと、金の不正取引により消費税6100万円の不正還付を受けたケースや、架空の仕入れ等により消費税680万円の不正還付を受けたケースなどが確認できました。税金の不正還付ということで、悪質性が高いと判断されたのかもしれません。従って消費税の不正還付をやってしまった方は、早めに対応した方が良いでしょう。しかも消費税の還付案件は国税が明らかに調査に力を入れているので、不正還付をした場合、ほとんどが痛い目にあると思われます。詳細は、以下の国税庁HPをご覧ください。
令和元事務年度 法人税等の調査事績の概要

3.逮捕されるまでの流れは?

少なくとも税務署による税務調査であれば、逮捕される心配はありません。しかし、初めは税務署による調査だったものの調査していくと脱税額が想像以上にあり、その結果として国税局の査察部(一般的にはマルサと呼ばれている部隊)が動き出すと、逮捕される可能性が高まります。国税局の査察部による強制調査は拒否できません。つまり、以前のコラムで取り上げたような調査を翌日以降に延期してもらう事はできません。
予告なしに税務調査が来た場合の対処方法について

拒否できないことは仕方がありませんが、少なくとも強制調査が入った場合は税理士だけでなく弁護士にもすぐに相談に行くことを強く強くお勧めします。弁護士が関与することで逮捕を免れるケースもあります。

4.まとめ

今回は、税務調査によって逮捕される可能性はあるのか?についてお伝えしました。ほとんどの税務調査の場合、逮捕もされませんし世間にアナウンスされることもありません。取引先に反面調査されることで税務調査が入ったことはバレることもあるでしょうが、税務調査でどのような指摘を受けたかまではバレません(仮に仮装隠蔽したとしても)。従って、通常の税務調査であれば税金の支払いで資金繰りに窮することはあったとしても、社会的制裁を受けることはありません。しかし、国税局の査察部による強制調査が入り逮捕されたらどうなるでしょうか。逮捕されたご自身の名前がニュースになりますので、社会的制裁を受け事業継続はほとんど不可能でしょう。これだけ大きすぎるリスクがある訳です。当税理士事務所のホームページをご覧になる方にそこまで過度な脱税をしている方はいないと思いますが、万が一、そのような方がいるのでしたら早めに相談して頂くことをお勧めします。

 

 

 

 

 

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