お知らせ・コラム
News & Column
税務調査の対象になりやすい個人事業主の5つの特徴|売上が小さくても選ばれる理由
当事務所で「税務調査の連絡が来てしまった」「税務調査が心配だ」とご相談に来られる個人事業主様を拝見していると、ある明確な「共通点(特徴)」が存在することに気づきます。
特に、顧問税理士をつけずにご自分で確定申告を行っている方にその傾向が強く見られます。
今回は、税務調査の対象に選ばれやすい個人事業主の5つの特徴と、「売上が少ないから自分は大丈夫」という油断がなぜ危険なのかについて、名古屋の梁瀬会計事務所の実際の対応事例を交えて詳しく解説します。
【目次】
- 税務署が調査対象を選ぶ「大原則」とは?
- 税務調査の対象になりやすい個人事業主の5つの特徴
- 売上が小さければ税務調査は来ない?(名古屋の個人事業主の事例)
- まとめ:不安があるなら税務署から連絡が来る前に対処しよう
1.税務署が調査対象を選ぶ「大原則」とは?
税務署が個人事業主を調査対象に選定する際の大原則は、実にシンプルです。それは、「調査に行けば、確実に申告漏れが見つかり、多額の追徴課税(税金)が取れそうなところ」を優先的に選ぶということです。
税務署も限られた人員で調査を行っているため、正しく申告している事業者よりも、「怪しい・税金を意図的に減らしている疑いがある事業者」を狙い撃ちにしてきます。
2.税務調査の対象になりやすい個人事業主の5つの特徴
当事務所へご相談に来られる個人事業主(特に顧問税理士のいない方)の過去の申告書を分析すると、以下の5つのパターンのいずれかに該当しているケースが圧倒的です。
① 売上が「1,000万円未満ぎりぎり」で申告している
毎年、売上高を「980万円」「990万円」など、消費税の課税事業者になるボーダーライン(1,000万円)の直前ギリギリで申告しているケースです。税務調査の典型的なパターンです。
税務署は「本当は売上が1,000万円を超えているのに、消費税から逃れるために売上を除外(隠蔽)しているのではないか?」と真っ先に疑います。このような申告が何年も続いていると、ターゲットにされる確率は跳ね上がります。重加算税になる可能性も高いです。
売上除外の方法については、別のコラムでまとめましたので興味がある方はご覧ください。
🔗 関連コラム:税務調査の相談等でみてきた売上除外のパターンとは
② 所得金額が「100万円弱」と少なすぎる
売上から経費を差し引いた「所得金額(利益)」が、毎年100万円弱(月8万円程度)にしかない申告です。
個人事業主にとって、所得金額は生活費の原資そのものです。資産家や副業のケースを除き、年間100万円程度の所得でまともな生活(家賃、食費、光熱費など)ができるはずがありません。
税務署は「生活が成り立たない=売上を抜いているか、プライベートの生活費を経費に混ぜている」と断定して調査に乗り出します。
③ 確定申告書類に記載漏れや数字の不整合(不備)がある
提出された確定申告書や収支内訳書に未記入の項目があったり、前年の繰越数字と今年の数字が合っていなかったりする不備です。
私が関与した案件では、消費税の簡易課税区分が明らかに誤っているケース、消費税の簡易課税計算の売上が間違っているケース(今期の売上ではなく、前々年度の売上を使用して消費税を計算していた)、確定申告書の収支内訳書について、経費の金額を手書きで何度も訂正しているような方がいました。
税務署の立場からすると、明らかに誤りのある申告書の場合、確実に追徴課税を課すことができるため、このようなケースは当たりやすくなります。
④ 青色申告ではなく「白色申告」で提出している
これは、白色申告だから当たりやすいという訳ではなく、税務調査の相談を受ける際、白色申告の事業者は税務調査が入らないと思っていた方がたくさんいましたので、白色申告であっても税務調査は入りますよとお伝えするために取り上げました。
「税金が取れるところに行く」という大原則から見ても、むしろ白色申告の方こそ狙われやすいのが現実です。実際、当事務所に税務調査の相談に来られる方の「約9割」は白色申告の方です。
⑤ 経費にプライベートの支出が混ざっている
私生活での家族の外食費やスーパーでの買い物、プライベートの旅行代などを「交際費」や「旅費交通費」として経費に混ぜているケースです。
ご本人は「うまくごまかせた」と思っていても、同業他社と比較して経費の割合(経費率)が異常に高くなっていると、税務署のシステムが不審点として浮き彫りにします。
▼対象になりやすい特徴まとめ表
| チェック項目 | 税務署が疑うポイント | リスクと対策 |
|---|---|---|
| 売上1,000万円未満ぎりぎり | 消費税逃れの疑い | 売上除外を疑われやすい。重加算税リスクが高いため事前確認が必須。 |
| 所得が100万円弱(少なすぎる) | 生活費との矛盾 | 「生活できないはず」とみなされ、売上隠しや経費水増しを調査。 |
| 申告書の不備・手書き訂正 | 計算誤り・ズサンさ | 簡易課税誤り等は確実に追徴金が取れるため、税務署の好ターゲットに。 |
| 白色申告で提出している | 記帳の甘さ・思い込み | 「白色なら来ない」は誤り。当事務所の相談者の約9割が白色申告。 |
| プライベート経費の混入 | 家事費の不当計上 | 同業他社より経費率が高いとシステムで浮き彫りに。 |
3.売上が小さければ税務調査は来ない?(名古屋の個人事業主の事例)
売上400万円程度の一人親方にも税務調査は入る!
多くの方が「自分は年間の売上が数千万円もあるわけじゃないから、税務調査なんて来ない」と思い込んでいます。しかし、これは大きな間違いです。
過去に当事務所で対応した案件では、店舗を持たない「店舗勤務の美容師さん」や、「年間売上400万円程度」で申告していた建設業の一人親方様のところにも普通に税務調査が入っています。(※この一人親方の場合、実際の売上は700万円程度あったため、調査日を迎える前に事前修正申告を行って事なきを得ました)。
🔗 関連コラム:売上が少なくても狙われる!フリーランス美容師の経費の境界線|愛知県の税務調査
税務署は業界ごとの「平均売上データ」を把握している
税務署は、長年の膨大なデータから「美容師なら年間売上〇〇万円」「建設業の一人親方なら〇〇万円」という全国・地域別の業界平均データを保有しています。
その平均値から自分の申告売上が極端に下回っている場合、税務署は「意図的に売上を隠して小さく見せているのでは?」と疑いを持つのです。「売上が小さいから調査に来ない」という安心感は、何の根拠にもなりません。
まとめ:不安があるなら税務署から連絡が来る前に対処しよう
今回は、税務調査の対象になりやすい個人事業主の特徴について解説しました。
もし今回ご紹介した特徴(売上1,000万円未満ぎりぎり、所得が極端に少ない、白色申告、プライベート経費の混入など)に心当たりがある場合、いつ税務調査の事前通知が来てもおかしくない状態と言えます。
しかし、不安に怯える必要はありません。税務署から「調査に入ります」と連絡が来る前に、自主的に過去の申告を見直して「事前の修正申告」を提出しておけば、ペナルティ(加算税)を最小限に抑えることが可能です。
梁瀬会計事務所では、愛知県名古屋市を拠点として、愛知・岐阜・三重を中心に全国を対象に、税務調査の立会いだけでなく、「調査が入る前に過去の誤りを正したい」という方向けの事前に修正申告を行うサービスも提供しております。
顧問先の紹介などもあり、実際に東海三県を超えて、代表の地元である長崎県や東京都など全国各地の法人・個人事業主からもご選定いただいております。
最初の事前相談は【無料】でお受けしています。ネット広告費をかけていない分、修正申告や期限後申告のサポート料金も他の事務所よりリーズナブルに設定しておりますので、過去の申告に不安がある方は、ぜひお早めにご相談ください。