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2021.03.18 コラム解決事例(税務調査)

税務調査の相談等でみてきた売上除外のパターンとは

税務調査の相談を受けたり、実際に税務調査に立ち会っていると、様々な売上除外のパターンに遭遇します。そして同じような売上除外であっても、不正の意図を有したものもあればそうでないものもあり本当に様々です。とはいえ、不正の意図の有無については納税者にしかわからないため、税務調査の現場ではその点が結構問題になります。そこで、今回は私が関わった税務調査の案件で遭遇した売上除外のパターンについて、思い出す限りでご紹介します。そして実際に立ち会ったケースで採用した方法もさらっとお伝えします。

【目次】
  1. 売上除外のパターン
    1. 特定の銀行口座に入金されている売上を除外
    2. 特定の取引先からの売上を除外
    3. 特定の月の売上を除外
    4. 本当に適当な売上で申告
    5. 現金売上を除外
  2. まとめ

1.売上除外のパターン

これから売上除外のパターンをお伝えしますが、どのようなパターンでも税務調査では基本的にバレますし、売上除外は絶対にやらないでください。今までのコラムでも何度もお伝えしていますが、これからも事あるごとにこの事はお伝えしていきます。どうして売上除外するケースが後を絶たないのでしょうか。その大きな理由が消費税です。売上1,000万円未満で申告している場合、税務署は売上除外を疑います。税務署が疑う申告書について、以下のコラムでまとめていますのでご参照ください。
税務調査の対象になりやすい個人事業主とは

1.特定の銀行口座に入金されている売上を除外

時々あります。そしてばれないようにできませんか?と聞かれることも多いです。当然そんなことに関わることはできないので、ばれないようにしてほしいという相談は受け付けていません。税務調査でどのようになったかは知りませんが、厳しい結果になっているのではないでしょうか。今まで受けた相談で一番やばそうだったのが、建設業だったと思いますが(現金商売ではない事は確か)、法人の社長から電話がかかってきました。顧問税理士にも内緒で1つの口座の収入(数億円だったと思います)を全く申告しておらず、しかも現金商売ではないにも関わらず予告なしで税務署が来たようでした。税務署が何かを掴んでいるのは確かでしょう。顧問税理士との兼ね合いもあり立ち会いませんでしたが、かなり厳しい結果になっているはずです。

2.特定の取引先からの売上を除外

これは結構あります。主要な取引先の売上はしっかりと申告しているが、単発の取引先の売上を除外しているケースです。通帳を見ればすぐばれるので、どうしてすぐにバレることをやるのかよくわからないのですが、やっている本人は、税務調査の事は意識しておらず安易にやっているような気がします。ある取引先は正しく申告している(ちゃんと電卓を叩いて集計している)のに、ある取引先は正しく申告していない(集計していない)となると、やはりそこに不正の意図はありそうです。どんぶり勘定でやったとは言えませんもんね。たまたま1つや2つの入金だけ抜けているだけであれば、計算ミスなどのように不正の意図がない場合もあるでしょうが、ごっそりと除外している場合は、そこには不正の意図があると税務署側は当然考えるでしょう。

3.特定の月の売上を除外

これも結構あります。特に多いのは個人事業主であれば12月の売上を除外するケースです。これも通帳を見ればすぐにバレるのですが、先ほど説明したものと同じで安易にやっているようです。例えば、1月から電卓を叩いて集計していくと11月分までで合計額が1,000万円近くになり、12月分の売上を足すと1,000万円を超えてしまう為、除外するといった事が考えられます。消費税回避ですね。

4.本当に適当な売上で申告

これは多いです。何か特定の入金を除外するといったものではなく、本当に適当な数値で申告しているケースです。具体的な手法がみえないので、不正の意図を掴むのは難しいのですが、得てして正しい売上金額よりも少なく申告しているんですよね…。そこに不正の意図がありそうです。ただ本当に適当な人もいて、名古屋市の個人事業主の方ですが、通帳の記帳さえ全くしておらず、自分の売上が全く分かっていない人もいました。今は私たちの顧問先なのですが、「元請から本来貰える金額より少ない金額しか入金されていなくてもわからないのでは?」と聞いて帰ってきた答えが「確かに…」でした。そんなことさえ考えたことがなかったようです。定期的に記帳してくださいね!というところから指導しています。

5.現金売上を除外

売上除外の王道です。領収書を破棄・隠ぺいすることで、売上を全く計上しないケースや、領収書綴りの一部を破って売上を計上しないケースなどが考えられます。税務署の調査官は、必ず「現金売上ありますか?」と確認しますので、そこで本当はあるのに「ありません」と回答しそれがバレれば、仮装隠蔽行為として重加算税を課されるだけでなく、偽りその他不正の行為の認定も受け、調査期間が7年に延長される可能性が大です。一番最悪のパターンですね。また調査官は領収書があれば、50枚綴りであればちゃんと50枚あるか否かは確認します。48枚しかなければその理由を尋ねます。その理由によっても、不正か否かは違ってきます。売上除外の為の破棄であれば不正ですし、金額を間違えて破棄しましたという事であれば、それが嘘でなければ不正ではない可能性が高いです。調査官からは、金額を間違えたとしても破棄しないようにと指導は受けますが。

2.まとめ

売上除外の色々なパターンをお伝えしました。私たちが立ち会う場合、それぞれの状況に応じて税務調査に臨みます。予め修正申告を提出する場合もありますし、先ほどの超絶適当な方の場合、そこに不正の意図はないと判断し事前に修正申告は提出せずに、税務署の職員に銀行へ反面調査に行ってもらい売上金額を集計してもらいました。他にも現金収入を売上として処理していない場合でも、仮装隠蔽ではないと理屈づけることで重加算税を回避できたこともあります。念のためにいうと、嘘をつくのではなく売上として処理しなかった理由が仮装隠蔽には当たらないと主張したということです。

税務調査の対応に正解はないのですが、当税理士事務所ではしっかりと面談を行い、納税者にメリットのある方法を採用するようにしています。そして、税務調査の立会いを依頼した場合の料金は広告費にお金をかけていない分、他の税理士よりも安く設定しています。詳細はこちらをご覧ください。
税務調査の料金やご利用の流れなど

 

 

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