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2022.11.17 コラム

税務調査に関して顧問税理士に相談する前に

毎年、相当数の税務調査の相談を受けますが、その大部分は顧問税理士のいない事業者です。しかし、顧問税理士のいる個人事業主や法人の方から相談を受けることがあります。今回は顧問税理士がいる事業者からの相談内容についてお伝えします。因みに、顧問税理士がいる事業者の税務調査は立ち会わない事が多いので、電話相談で終わることになり、結果的に相手の会社名などは知りません。誰にも知られたくない内容で、私に聞きたいだけなので私には名乗らないというのが真実だと思いますが。税務調査に立ち会いませんので、当然にその相談者が最終的にどうなったかは不明です。

顧問税理士ではなく当税理士事務所に相談する理由はなぜでしょうか?それは顧問税理士に隠していたからでしょう。私は相談を受けると必ず顧問税理士に相談したのか聞きますが、皆さんまだ相談していませんと回答します。その理由は顧問税理士にも迷惑がかかるような案件だからです。今回は、このように顧問税理士に相談する前に私に相談した事例を取り上げます。

【目次】
  1. 現金横領といった不正をしたという相談
  2. 通帳1個分の売上が全て無申告という相談
  3. まとめ

1.現金横領といった不正をしたという相談

年に1度は相談を受ける事例です。相談者は社長ではなく、ある程度のポジションにいる方が多いです。不正内容は様々です。例えば、経理担当でお金の出入りを管理できるのであれば、外注費といった名目で知人の口座に振り込むという不正、売上代金をごまかして差額をポケットに入れる等々。

そして、バレないようにするには、誰かに協力してもらう必要があります。先ほどの例でいうと、架空外注費の振込先を自分の口座にするとすぐにバレるので、知人等の口座を利用させてもらう必要がありますし、売上代金の不正であれば、その取引先に協力してもらう必要があります。下請けは元請の要請を断ることはとても難しいので、その立場を利用した不正です。

私は税務調査の相談という機会だけでなく、様々な仕事の過程で従業員不正に遭遇します。私の親族が経営する会社でもありました。不正の金額は様々ですが、不正って本当に多いんだなと実感しています。

従業員等の不正がある場合の税務調査の論点については以下のコラムをご覧ください。

税務調査で、役員や従業員によるお金の使い込みがバレることも

税務調査において従業員不正が発覚した場合、必ず重加算税か?

2.通帳1個分の売上が全て無申告という相談

通帳1個分がまるまる無申告というケースです。そして税務署にバレないように何とかなりませんか?という流れになることも多いです。当然、税理士はそのような不正に加担することはできませんので、ご自身で対応してくださいという回答になります。税務調査で実際にバレているのか不明ですが、ばれない事もあるんだろうなとは思います。

私は、通帳まるまる売上として処理していない納税者の税務調査に1度だけ立ち会ったことがあります。私にも内緒にしていて、税務署の銀行への問い合わせでバレたという事例です。当然に重加算税です。私もこの点については守る理由は一切ないので、重加算税どうぞどうぞという感じでした。他にも現金売上の漏れが重加算税の対象になりそうでしたが、そちらはしっかりとロジックを組み立てて交渉することで回避しました。

通帳1個分の売上については重加算税を含めて諦めるとして(重加算税を回避できる可能性はありますが、その理由付けと事実関係が適合しているケースはかなり少ないかなと)、それ以外の論点で納税額を減らす必要があります。このケースでは、その売上に対する外注費等の経費も無申告である可能性が高いです。なぜなら経費を申告してしまうと、収益のバランスがおかしくなるからです。そのため、その経費をどれだけ合理的に積み上げていくかが税務調査のポイントになります。しかし、得てしてその経費の証拠が無いことも多いので、大変であることは目に見えていますが。

3.まとめ

今回は、顧問税理士のいる事業者からの税務調査に関する相談事例についてお伝えしました。少し前にも顧問税理士がいる個人事業主の方から相談がありましたし、定期的に相談を受ける事例ではあります。不正案件は、立ち会う税理士によって結果が大きく変わってしまう可能性が高いです。顧問税理士としては裏切られた!という気持ちになるので、税務署と戦ってくれない可能性もあります。顧問税理士がどこまで助けてくれるか不透明である以上、リスティング広告を出している税理士事務所などに相談することを強くお勧めします。裏切られた側の顧問税理士は基本的には悪くないんですけどね。

 

 

 

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