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会社のお金を増やす経路
最近、資金繰りの相談が増えています。例えば、ウクライナ問題の影響で車関係の仕事が大きく減っているので早めに資金の手当てをしたいといった内容です。このような資金繰りの相談が増えている事もあり、改めてお金(キャッシュ)について考える機会が増えました。
会社が永続する上で最も大切なことは、お金(キャッシュ)です。これはどの税理士・会計士も同じ意見ではないでしょうか。従って、どのようにしてお金を増やしていくかがとても大切です。そこで、会社のお金を増やす経路についてご紹介しますが、当たり前のことを書いているだけなのであまり面白くないです。
【目次】
- 会社のお金を増やす経路
- 金融機関からお金を借りる
- 役員からお金を借りる
- 株主が出資する
- 利益を積み重ねる
- まとめ
1.会社のお金を増やす経路
会社のお金を増やす経路は大きく4つあります。それぞれについて説明します。
1.金融機関からお金を借りる
中小零細企業であれば、地場の地方銀行や信用金庫からお金を借りる方法です。都市銀行はなかなか相手してくれないので、資金調達目的というより何かしら事業目的で開設する場合が多いです。例えば、私が経営している会社では三菱UFJ銀行の口座を開設していますが、その目的は、取引先の多くが三菱UFJ銀行を持っているので、振込等で便利だからというだけです。
因みに、三菱UFJ銀行から電話があるときは、証券会社に預けているお金を別の証券会社に移動させる際に同銀行を経由するのですが、その際に通帳残高の動きでアラームが鳴り、担当者が投資信託どうですか?という営業電話です。富裕層でもない私達のような庶民が、都市銀行で投資信託等をやるメリットってあるんですかね?個人的には、投資をするならSBI証券か楽天証券の2択だと思っています。
話がそれてしまいましたが、私は黒字で業績が安定している時こそ、一定額お金を借りておくべきという考え方です。実際に、私は個人事業主としても会社としても付き合いのある地方銀行から事業資金を借りています。金融機関との付き合いも兼ねてという意味合いも大きいのですが、金融機関との付き合い方については別のコラムで整理します。
顧問先と話していても、借入は悪だと考えている人が一定数います。無借金経営であるべきだ!という考えです。別に、無借金経営で事業を継続できればそれはそれで素晴らしいのですが、中小零細企業の場合はなかなかそうはいきません。従って、私は金融機関との付き合い方について、顧問先にしっかりと伝え、お金を借りる際のサポートも当然におこなっています。その結果、私の法人顧問先は、手元資金が潤沢な一部の会社を除き、黒字企業であっても一定額のお金を借りているところが多いです。
どの銀行の口座を解説すべきか?といった注意点については以下のコラムを参考にしてください。
2.役員からお金を借りる
規模は各々ですが、中小零細企業にありがちなパターンです。いわゆる役員借入金です。役員借入金が発生している原因が重要で、会計処理の関係で発生するケースはどうでもいいです。会社の資金繰りが厳しくて、社長のポケットマネーを会社に入れている場合は要注意です。それって、恒常的に資金繰りがうまくいっていない証拠なので、何かしら手当てが必要です。まずは可能な範囲で役員報酬を減らす事になるかなと。私は、資金繰りの重要ポイントの1つだと思っているので、顧問先の役員借入金の動きは結構シビアに見ています。
因みに、役員借入金は、銀行の査定上借入とみなされないので、実質自己資本が高まります。その事を知っている会社は、逆に役員借入金をうまく利用している会社もあると思います。
3.株主が出資する
会社を設立する際に株主が会社にお金を出資します。中小企業の実務ではそれほどありませんが、追加出資するケースもあります。これも会社のお金を増やす方法ではあります。
4.利益を積み重ねる
最も大事なお金を増やす方法です。なぜなら、稼いだお金は返さなくてよいからです。役員から借りたお金は実質的に返さない場合もありますが(そのため、銀行は会社の貸借対照表を評価する際に、役員借入金は実態貸借対照表から除外します)、本来は返済すべきものです。
銀行や役員からお金を借りるにしても限界があります。特に銀行はお金を返してもらう必要があるので、与信の範囲内でしかお金を貸してくれません。従って、お金を借りるという行為はいずれは限界を迎えます。だからこそ、利益を生み重ねてお金をストックしていく必要があります。
因みに、利益を積み重ねることと節税は相反することが多いです。この点はとても重要なので、別のコラムで改めてお伝えします。
2.まとめ
今回はお金を増やす経路についてお伝えしました。大事なことは以下の2点です。
- 安定した資金繰りの為に、金融機関とは継続的な関係を持っておいた方が良い
- お金を増やす経路で最も大切なことは、利益を積み重ねること
最後に銀行についてお伝えします。全ての銀行は3月決算です。この時期は、銀行員は予算達成のために色々な商品を紹介してきます。それが皆さんにメリットがあればまだ検討の余地はありますが、こちらの都合を全く無視したあり得ない商品を提案してくることがあります。私も、顧問先に対してあり得ない商品(全く不要なフリーローン)を契約させていることに気づき、ブチギレたことがあります。特に3月に銀行員からアクションがあった場合は、疑って対応してください。その時期、多くの銀行員がノルマに追われ、取引先ではなく上司を見ています。本当に大変な業界だなとは思うものの、メリットのない商品を購入する余裕は私たちにはありませんので、無用なものは必ず断りましょう。取引を継続する上で仕方ない面もあるかもしれませんが…
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