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コロナ禍における個人に対する税務調査
2020年はコロナ一色で税務調査はほとんどありませんでしたし、既存の顧問先を支えることに注力した年でした。持続化給付金、家賃支援給付金など、サポートした数は数知れず。2021年は、当税理士事務所のホームページを開設し、本格的にネット集客に取り組みました。税理士業務と公認会計士業務だけでなく、それ以外の仕事もやりながら、頻繁にコラムを更新していたので、本当に馬車馬のような働き方でした。その結果、ホームページからの集客は当初の想定以上だったので、高いお金を払ってでもホームページを制作してよかったです。業種に関係なく本気でホームページで集客したい事業主は、onca様で制作することをお勧めします。集客の観点で費用対効果が乏しいと判断したら正直にその旨伝えてくれます。また、ここでの本気とは、ブログの更新といった地道な作業を継続してやる意思のある方です。制作費用は高いですが、それだけの費用対効果を得ることが可能です。当税理士事務所の場合、今年に入ってから既に2件成約の方向で進んでいますので、集客については引き続き好調に推移しています。既に2件というのは出来過ぎですが。
では本題です。令和2事業年度の個人に対する税務調査の概要が国税庁ホームページで開示されました。今回はこの調査事績についてお伝えします。法人に対する税務調査の概要に関するコラムはこちらをご覧ください。
【目次】
- 所得税の税務調査の件数
- 所得税の税務調査による追徴税額
- 税務調査の重点調査対象
- 富裕層対する税務調査
- 海外投資している個人に対する税務調査
- ネット通販、アフィリエイト、暗号資産取引等への税務調査
- まとめ
1.所得税の税務調査の件数
税務調査の件数について、実地調査が23,804件でなんと対前年比39.9%でした。大幅減です。法人の税務調査と同じ傾向です。逆に、簡易な接触は478,494件と対前年比128.7%となり増えています。コロナの影響で会うのが難しく、簡易な接触が増えているのだと思います。消費税の税務調査も同じ傾向です。
2.所得税の税務調査による追徴税額
こちらも法人調査と同じ傾向で、税務調査1件当たりの追徴税額が特徴的です。令和元年度は945万円でしたが、令和2年度は1,257万円と前年度33%増と大幅増となりました(法人の税務調査ほどは増えていませんが)。税務調査とは、税金がとれるところを集中的に選定する傾向があるので、それがそのまま結果に表れています。
3.税務調査の重点調査対象
1.富裕層に対する税務調査
富裕層は、有価証券の運用、不動産の運用により多額の利益を確保しています。仮想通貨でも儲かっているかもしれません。各国の中央銀行による流動性供給により、猛烈な資金余りが発生しており、海外(特に米国)の株式は株価上昇傾向ですし、不動産価格も上昇傾向です。海外不動産は詳しくありませんが、首都圏の不動産の値上がり傾向はなかなかのレベルです。東京から名古屋への引っ越しをきっかけに東京のマンションを売却したのですが、今だったらその売却額から1,000万円以上で売却できる水準で価格が推移しています。名古屋の事務所近くにも大手ディベロッパーによるマンション建設ラッシュがおきていますが、私が東京で購入したマンションの価格とそれほど変わらないレベルです。
このように、世界的な金余りの状況下で、富裕層はさらにお金を稼いでいる状況です。だからこそしっかりと納税すべきという姿勢で税務署が臨んでいます。あとは、世間的な突き上げも無視できないという事もあるのだと思います。残念ながら、日本も明らかに格差が拡がっていますから。
2.海外投資している個人に対する税務調査
税務署は、これまで個人が保有する海外資産を捕捉することがとても難しかったのですが、今はCRS情報を駆使することで、全てという訳ではありませんが捕捉することが可能になっています。これまでは国外に資産を移転することで脱税可能な環境ではあったものの、これからは相当リスクがあると考えた方が良いでしょう。
外国の金融機関等を利用した国際的な脱税及び租税回避に対処するため、OECDにおいて、非居住者に係る金融口座情報を税務当局間で自動的に交換するための国際基準である「共通報告基準(CRS:Common Reporting Standard)」が公表され、日本を含む各国がその実施を約束しました。この基準に基づき、各国の税務当局は、自国に所在する金融機関等から非居住者が保有する金融口座情報の報告を受け、租税条約等の情報交換規定に基づき、その非居住者の居住地国の税務当局に対しその情報を提供します。
平成27年度税制改正により、平成29年1月1日以後、新たに金融機関等に口座開設等を行う者等は、金融機関等へ居住地国名等を記載した届出書の提出が必要となります。
国内に所在する金融機関等は、平成30年以後、毎年4月30日までに特定の非居住者の金融口座情報を所轄税務署長に報告し、報告された金融口座情報は、租税条約等の情報交換規定に基づき、各国税務当局と自動的に交換されることとなります。
国税庁HPより抜粋
3.ネット通販、アフィリエイト、暗号資産取引等への税務調査
技術革新により新たな経済活動が生まれています。例えば、アマゾン、メルカリなどでの売買やアフィリエイト業、民泊業などでしょうか。このような新しい経済活動についてもしっかりと捕捉して、必要に応じて税務調査の対象にしますよという事です。象徴的な出来事として、国税がウーバーイーツに対して配達員への報酬などに関する情報の提供を求めるというニュースがありました。詳細はこちらをご覧ください。
3.まとめ
税務調査の調査重点事項として、無申告案件についても取り上げられていました。無申告事案は、ここ数年明らかに税務署は力を入れているので、無申告のメリットを享受するのはますます困難になっています。当税理士事務所に相談する内容も無申告の案件がとても多いです。
無申告案件は明らかに力を入れているし、海外資産の捕捉も精度が高まっている以上、バレずに逃げ切る可能性はどんどん減っているのは現状です。従って、安易に無申告を選択することなく、適切な申告を心がけてください。戦うべき場所は、申告しないとか意図的に過少な申告をするということではなく、何度もお伝えしていますが、グレーゾーンの経費です。是非、税務調査に強い税理士に相談してください。
当税理士事務所は最初の相談は無料で受けていますし、顧問契約が前提であるものの、税務調査や無申告・期限後申告の料金は、広告にお金をかけていない分、他の税理士よりも安く設定しています。是非ご相談ください。