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経費の多いフリーランスのエンジニアは税務調査に選定されやすい
当税理士事務所の顧問先にもシステムエンジニア(プログラマー)がいます。全員が節税対策を考慮して法人化しました。彼らの申告書を拝見してもヒアリングしても、まぁ経費は少ないです。売上に対して10%程度しか経費がない人もいます。この方は交際費なども非常に少なく、極端な例ではありますが。フリーランスのシステムエンジニアのように経費が少ない人こそ、税理士を活用して可能な限りの節税対策を講じる必要があります。また、このように経費が少ない業種は、税務調査について注意が必要です。
【目次】
- システムエンジニア(プログラマー)は税務調査で狙われやすい
- システムエンジニア(プログラマー)の税務調査対策
- 一般的なシステムエンジニア(プログラマー)の経費率に抑える
- 税理士の力を借りて合理的な経費を計上する
- まとめ
1.システムエンジニア(プログラマー)は税務調査で狙われやすい
2021年11月に令和2年度の所得税及び消費税の税務調査実績が公表されました。その中で1件当たりの申告漏れ所得金額が高額な上位10業種が公開されており、その結果は以下の通りです。
業種 | 前年順位 | |
1 | プログラマー | – |
2 | 畜産農業 | – |
3 | 内科医 | – |
4 | キャバクラ | 3 |
5 | 太陽光発電 | 4 |
6 | 建築士 | – |
7 | 経営コンサルタント | 2 |
8 | 小売業・犬 | – |
9 | 不動産代理仲介 | – |
10 | 商工業デザイナー | – |
去年はシステムエンジニアが5位でしたが、今回はプログラマーが1位になっています。この調査でこの2つの業種を区別しているかどうかは不明ですが、少なくともプログラマーは最も高額な申告漏れを指摘されているわけです。この事実は重要です。システムエンジニアでもプログラマーでもよいのですが、業種平均を大幅に超えた経費を計上している個人事業主については、高確率で税務調査に選定されると想定する必要があります。
2.システムエンジニア(プログラマー)の税務調査対策
では、税務調査に選定されやすいシステムエンジニアやプログラマーはどのように税務調査対策をすべきでしょうか?私は選択肢として2つあると思います。
1.一般的なシステムエンジニア(プログラマー)の経費率に抑える
以前、システムエンジニアの一般的な経費についてお伝えしました。こちらのコラムを参考に保守的に経費処理していけば、一般的なシステムエンジニアと同程度の経費率に収まるはずです。そうすることで、税務調査に選定される確率を下げることができます。
2.税理士の力を借りて合理的な経費を計上する
こちらの戦略は税務調査に選定される前提で、税務調査でしっかりと戦える準備をしておく戦略です。具体的には、節税に強い税理士の力を借りて説明可能な経費を積み上げていきます。これまで何度も記載しているのですが、経費には膨大なグレーゾーンというものが存在します。ここを攻めていくのです。具体的にどのように準備するかはケースバイケースなので、節税に強い(税務調査に強い)税理士に力を借りてください。明らかに経費にならないものを嘘ついて経費処理するのは絶対ダメです。脱税は本当にダメですし、戦略としても明らかに間違っています。
3.まとめ
税務調査に選定される可能性を下げるのが一番気が楽だと思います。しかし、その戦略を採用した場合、本来経費処理できるものまでも経費処理しないことになるため、無駄に税金を支払う可能性は否定できません。そこで、税務調査に選定されやすくなったとしても、税務調査でしっかりと勝負できる理屈を確立した上で、適切な経費をしっかりと計上する戦略についても検討の余地があるのではないでしょうか。その場合は、税務調査に強い税理士を選ぶ必要があります。
私はシステムエンジニアとして働いていた実績があり、現在も公認会計士としてシステム会社やゲーム開発会社に関わっています。システムがわかる税理士は非常に少ないと思います。そして、税務調査の立会い経験も非常に豊富です。当税理士事務所は愛知県名古屋市ですが、東京にもシステムエンジニアの顧客がいますし、全国対応しています。是非、顧問税理士を探している方は、ご相談ください。
もし、税務調査に選定される可能性を下げる戦略(保守的に経費処理する)を採用するのであれば、基本的に顧問税理士をつける必要はありません。依頼するにしても確定申告のみ依頼すればよいと思います。