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経費を個人のクレジットカードで支払うと税務調査で怒られる?
現在は多くのシーンでクレジットカードでの支払いが可能です。私自身、現金で支払う機会はほとんどありません。PASMOを忘れた時の電車代、クレジットカードが使えないコインパーキング、クレジットカードが使えない飲食店くらいしか思い出せません。当税理士事務所の顧問先に対しては、絶対に現金派という方でなければクレジットカードで支払うように指導しています。では社長の個人名義のクレジットカードを会社の経費用で使用していいのでしょうか。今回はクレジットカード利用のメリットを含め、お伝えします。
クレジットカードを使用する場合の税務調査を意識した注意点については、以下のコラムでまとめていますのでご確認ください。
税務調査においてクレジット請求明細書は証拠として利用できる?
【目次】
- クレジットカード利用のメリット
- 現金より資金繰りに資する
- キャッシュもしくはポイントバック
- 記帳が楽になる
- 社長の個人カードで経費支払いしてもいいの?
- 各事業の資金繰りをしっかりと把握できる
- 税務調査で有利になる(不利にならないという表現の方が正しいかも)
- まとめ
1.クレジットカード利用のメリット
1.現金より資金繰りに資する
クレジットカードで支払った場合、現金とは異なり支払いを先延ばしにすることができます。資金繰りに関しては以下のコラムを確認していただきたいのですが、資金繰りを改善する方法は、会社の売上金を早く回収し外注先や仕入先等への支払いを遅く支払う事です。中小・零細企業の実務では、元請との力関係もあり交渉により売上金を早く回収することは難しいのが現実です。しかし、支払については売上金と比較すると調整可能である場合もあるのではないでしょうか。単純に資金繰りだけを考えた場合、少なくとも売上金が入金される日以降に支払うようにすべきです。勿論、下請けをサポートする(今後も継続的に取引してもらう)ために早めに支払ってあげるという考え方もあるので、その点は総合的に判断することになります。
資金繰り表は必要か?皆さんの顧問税理士はサポートしてくれますか
2.キャッシュもしくはポイントバック
クレジットカードを使用すると、1%程度のキャッシュバックやポイントが付与されます。現金で支払うとそのようなメリットはないので使わない手はありません。ポケットカード㈱が発行しているp-oneカードというクレジットカードがあります。このカードの特徴は必ず1%割引される点です。かなり昔になりますが、この特徴に加え、毎月7日に利用するとポイント10倍という特典がありました。そのため高い買い物(公認会計士講座の支払いなど)は必ず7日に決済するようにしていました。こんな特典が長く続くわけはなくすぐに終わった気がします。終わりとともに私も解約しました。
今はプライベートでは楽天カードを使っています。法人用カードや個人事業主用カードも別で保有し、明確に使い分けています(こちらは楽天カードではありません)。当税理士事務所の顧問先の場合、アメックスのゴールドを使っている方が一番多いです。やっぱりブランド力があります。アメックスのプラチナを使っている方もいますし。
3.記帳が楽になる
一番わかりやすいのが高速代です。freeeやマネーフォワードに登録したクレジットカード(ETCカード)で支払うと、記帳がめちゃくちゃ楽になります。手入力が不要で自動で勝手に旅費交通費として記帳してくれます。このように記帳の効率化が可能なため、当税理士事務所が記帳代行を受ける場合もクレジットカードを会計システムに登録してもらうようにしています。
2.社長の個人カードで経費支払いしてもいいの?
結論としては特に問題はないのですが、以下の理由から法人カードを使った方がよいでしょう。より具体的には、プライベート用のカードと会社用のカードを使い分けた方がよいです。私の場合、プライベート用のカード、会社用のカード、個人事業主用のカードを明確に分けています。
1.各事業の資金繰りをしっかりと把握できる
ざっくりと資金繰りを把握する方法は通帳の履歴を確認する事です。仮に個人用カードで経費支払いをしている場合、そのカードの引き落としは個人口座なので法人の通帳を見ても正しく資金繰りを確認できません。むしろミスリードする可能性さえあります。
2.税務調査で有利になる(不利にならない)
あなたが税務署の調査官だとして、会社の経費を社長の個人カードで支払っていたらどう思いますか?私だったらこの社長はプライベートと仕事の切り分けができていないんじゃないか。プライベート支出を経費にしている可能性が高いのでは?と考えます。税務調査ではこのように思われただけでもマイナスなので、避けた方がよいでしょう。
3.まとめ