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個人事業主は青色申告で確定申告しましょう。
この時期は土曜日出勤の税理士事務所も多いと思います。私の場合、平日とか休日とか関係なく好き勝手に働いていますが、働いている時間は普通の人よりも長いかもしれません。当税理士事務所は、個人の顧問先もそれなりにいますので、この時期は非常に忙しいです。個人の確定申告期間は2月16日から3月15日ですが、すぐに申告しないといけない顧問先もいるため、急ピッチで申告書の作成を進めているところです。一応、今年もコロナの影響で延長可能になりましたが。
今回は個人事業主の青色申告について取り上げます。税理士が関与している場合は青色申告で申告していると思いますが、税理士がいない場合は白色申告の方も多いと思います。顧問先以外で税務調査に立ち会う個人事業主の90%以上が白色申告です。という事で、青色申告で提出しては如何ですか?という事を今回お伝えします。
【目次】
- 青色申告で申告するためには
- 青色申告のメリット
- 青色申告特別控除65万円
- 青色事業専従者給与
- 少額減価償却資産の特例
- 赤字の繰越控除
- 青色申告のデメリット
- まとめ
1.青色申告で申告するためには
青色申告で提出するには、手続きが必要です。何も手続きを踏まずに青色申告で提出しても、税務署から白色申告で提出してくださいと言われてしまいます。ではどのような手続きが必要でしょうか?簡単です。青色申告承認申請書を管轄の税務署に提出するだけです。
しかし注意点があります。それは提出期限です。承認を受けようとする年の3月15日までに提出する必要があります。つまり、2022年度について青色申告で提出するためには、2022年3月15日までに提出が必要ということになります。従って、今回確定申告を提出する時に合わせて青色申告承認申請書を提出するとよいと思います。
2.青色申告のメリット
私がメリットが大きいと考える順番にお伝えします。
1.青色申告特別控除65万円
一番大きいのは青色申告特別控除かなと思います。電子申告をするといった要件があるものの、65万円何もせずに所得から控除できるのはとても大きいです。節税手段として有名な小規模共済は、年間最大で84万円の控除が認められますが、将来戻ってくるとはいえお金が出ていく節税です。対して青色申告特別控除はキャッシュアウトせずに節税できるので、使わない手はないです。
2.青色事業専従者給与
家族と一緒に仕事をしている場合、白色申告だと大きな不利を被る可能性があります。その理由は、以下のコラムで取り上げていますので参考にしてください。
青色申告の場合、予め税務署に申請しておけば、合理的な範囲で家族に支払った給与全額を経費として処理することができます。私の顧問先にも、月20万円とか月30万円支払っている方がいます。青色事業専従者については注意点もありますので、その点は以下のコラムをご覧ください。
3.少額減価償却資産の特例
30万円未満の固定資産を購入した場合に一括で経費計上できる特例です。私の事務所であれば、パソコンや棚などは30万円未満に抑えたうえで、全額経費処理しています。
4.赤字の繰越控除
赤字を翌期の黒字と相殺できる制度です。とはいえ、個人事業主の場合、普通は赤字になることはないのでほとんど使う事はありません。赤字だったら生活費を拠出できないので。あるとしたら、開業して間もない時期で、初期投資で経費がかかるにも関わらず売上がなかなか増えない時くらいでしょうか。
他の税理士のコラムなどでは、それ以外のメリットも取り上げているかもしれませんが、個人的にはこの4点かなと思います。
3.青色申告のデメリット
手間がかかる点に尽きます。簿記の知識がないと青色申告特別控除の65万円を利用することができないですし、本人に知識がないのであれば、税理士に依頼するしかないかなと思います。
4.まとめ
青色申告はこのようにメリットがあるので、活用できるのであれば活用した方が良いです。しかし注意もあります。それは、税理士に依頼するのではなくご自身で青色申告をやろうとする場合です。その場合、青色申告のメリットを十二分に活用するには簿記の知識をベースに申告書を作成しなければなりません。それには結構な手間がかかります。その手間に時間を使う位なら、売上を上げることに注力した方が良い場合も当然にあるでしょうから、その視点も持っておいてください。例えば、自分でやるのも面倒だし、税理士に依頼するのももったいないという事であれば、白色申告を続けるというやり方もありだと思います。
私だったら、売上に直接紐づかない作業に時間を使うのはもったいないので、税理士を活用すると思います。当税理士事務所は受けていませんが、顧問契約を結ばずに決算だけやってもらうというやり方もあります。とにかく費用を削減したいのであれば、そのように税理士を利用してください。ただし、費用を安くするために決算しかお願いしていないのに、それ以上の事を税理士には望まないようにしましょう。ビジネスである以上、税理士だって報酬に見合わない作業はしてくれません。当税理士事務所でも、決算のみ対応する顧問先が数件あります。その場合、事業復活支援金等のサポートは無料で行わないですし、ふるさと納税の限度額についてもお伝えしていません。なぜなら決算のみの契約ですから。その点は顧問契約を締結している先と明確に区分しています。これは当たり前の話だと思っていますし、顧問先も理解してくれています。
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