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白色申告の「事業専従者給与(控除)」で失敗しないための注意点と計算方法
家族(配偶者や子供)に仕事を手伝ってもらい給料を払っている個人事業主の方は多いと思います。
原則として、生計を一つにする配偶者や親族に支払う給料は「経費(必要経費)」として認めてもらえません。しかし、申告方法に応じて特例が用意されており、白色申告の場合は「事業専従者控除」という制度を利用することができます。
ただし、青色申告の専従者給与と違って「事前届出の有無」や「控除できる金額の上限ルール」が大きく異なるため、間違った申告をして税務調査で突っ込まれるケースが非常に多いポイントです。
今回は、白色申告でご家族に給料を支払う際の注意点と、損をしないための正しい計算方法を分かりやすく解説します。
【目次】
- 白色申告の「事業専従者控除」と青色申告の違い
- 白色申告の専従者控除を受けるための「必須要件」
- 専従者控除の上限額と計算方法(配偶者86万円・親族50万円の壁)
- 【要注意】専従者控除を使うと「配偶者控除・扶養控除」から外れる
- まとめ:家族へ給料を払うなら「青色申告」への切り替えが断然お得!
1.白色申告の「事業専従者控除」と青色申告の違い
まず押さえておきたいのが、白色申告と青色申告における「家族への給与」の扱い方の違いです。
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青色申告(青色事業専従者給与): 事前に税務署へ「届け出た金額」の範囲内であれば、実際に支払った給与の全額を経費にできます(上限なし)。
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白色申告(事業専従者控除): 事前に届け出を出す必要はありませんが、実際に支払った金額に関わらず、法律で定められた定額(配偶者86万円/その他親族50万円)までしか控除(経費化)できません。
白色申告の場合、たとえ奥様に年間200万円の給与を実際に口座振込で支払っていたとしても、経費として認められるのは「最大86万円まで」となりますので注意してください。
▼白色vs青色 専従者給与比較表
| 比較項目 | 白色申告(事業専従者控除) | 青色申告(青色事業専従者給与) |
|---|---|---|
| 事前届出 | 不要 | 必要(3月15日までに提出) |
| 経費にできる金額 | 配偶者最大86万円/親族50万円 (※実際の支給額に関わらず定額) |
適正な労務対価であれば 全額経費(上限なし!) |
| 配偶者控除との併用 | 併用不可 | 併用不可 |
| 節税のメリット | △ 限定的(利益が少ないと損も) | ◎ 非常に高い! |
2.白色申告の専従者控除を受けるための「必須要件」
白色申告で専従者控除の適用を受けるためには、以下の要件をすべて満たしている必要があります。
① 生計を一つにする配偶者または15歳以上の親族であること
一緒に暮らしている(または生活費を共通にしている)配偶者や、その年の12月31日時点で15歳以上になっている子供・両親などが対象となります。
② 年間のうち「6ヶ月を超える期間」その事業に専従していること
「たまに忙しい時だけ手伝ってもらった」程度では認められません。1年のうち半分を超える期間(6ヶ月超)、その事業の仕事に専念(専従)している必要があります。
3.専従者控除の上限額と計算方法(配偶者86万円・親族50万円の壁)
白色申告の事業専従者控除額は、以下の「①と②のいずれか低い方の金額」となります。
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控除額の判定ルール:
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① 決められた定額上限:
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事業専従者が配偶者の場合 ➔ 86万円
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事業専従者が配偶者以外の親族の場合 ➔ 1人につき50万円
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② 事業所得による制限枠:
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(専従者控除を引く前の事業所得の金額)÷(専従者の数 + 1)
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赤字や利益が少ない場合は「86万円フルで控除できない」
Case1:個人事業主の所得金額150万円、専従者は妻のみ
⇒150万円÷(1+1)=75万円 結論:配偶者の専従者控除額75万円
Case2:個人事業主の所得金額200万円、専従者は妻のみ
⇒200万円÷(1+1)=100万円 結論:配偶者の専従者控除額86万円
4.【要注意】専従者控除を使うと「配偶者控除・扶養控除」から外れる
白色申告で専従者控除を適用する際、最も失敗しやすい落とし穴がこれです。
配偶者控除(扶養控除)と「ダブルで適用」できない
法律上、事業専従者控除の対象となった家族は、事業主本人の「配偶者控除」や「扶養控除」の対象から除外されます。例えば、利益が少なくて専従者控除が「10万円」しか使えなかった場合でも、専従者にしてしまうと配偶者控除(最大38万円の控除)が使えなくなってしまいます。
結果として、「専従者控除を使ったせいで、使わない時よりも全体の税金が高くなってしまった」という本末転倒な事態が多発しています。利益が少ない年は、専従者控除を使わずに配偶者控除を適用した方が得になるケースがあるため、必ず事前にシミュレーションを行いましょう。
5.まとめ:家族へ給料を払うなら「青色申告」への切り替えが断然お得!
今回は、白色申告における事業専従者給与(控除)の注意点を解説しました。結論から申し上げますと、ご家族に給料を払って節税したいのであれば、絶対に「青色申告」へ切り替えることを強くお勧めします。
青色申告(青色事業専従者給与)であれば、あらかじめ提出した届出の範囲内で「実際に支払った仕事に見合う給与の全額」を経費として計上することができます。上限が86万円に縛られることもありませんし、節税効果は比べものにならないほど高くなります。
梁瀬会計事務所では、白色申告から青色申告へのスムーズな切り替えサポートや、ご家族への適切な給与設定・節税シミュレーションを行っております。「今年の確定申告で家族の給料をどう処理すべきか分からない」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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