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2022.07.21 コラム

芸人が競馬で多額の税金を課されたと

6月にとても話題になりました。芸人であるインスタントジョンソン・じゃいさんが超高額馬券を的中させ、6400万円ほどの払い戻しを受けた年度について追徴税額を受けたという話です。最近は、馬券の購入方法を多岐にわたるようで(私は数年に一度有馬記念だけ買ってみる程度)、高額的中という事例も発生するようです。今回は馬券にまつわる税金関係についてご紹介します。

【目次】
  1. 競馬に関する税務
  2. はずれ馬券を経費にする難しさ
  3. ネットで購入した高額的中の無申告はバレます
  4. まとめ

1.競馬に関する税務

詳細は過去のコラムで説明していますのでそちらをご覧ください。はずれ馬券が経費になるのか?という点に集約されるのですが、現実としてほとんどのケースで認められないのが実情です。今回の芸人さんがどのような手法で馬券を購入していたか明確には知らないのですが、はずれ馬券が経費になる条件はとても厳しいので、不服申し立てしても負けるだろうなと思います。本人もそれは知った上で、世論を味方にして法律を変えていきたいという方向なのでしょうか。それだったらやる価値はあると思います。ギャンブルにアレルギーがある方も多いので、世論が味方する可能性は低そうですが。

競馬で儲けている方は、確定申告が必要です。

2.はずれ馬券を経費にする難しさ

国税庁は、可能な限り課税していく!というスタンスなので、今回のように問題提起したとしても変わらないと思います。上記のコラムでも説明しましたが、はずれ馬券が経費として認められる判決が出た後、その判決に応じて、はずれ馬券を経費として認めにくい方向へ解釈を変えてきたからです(あくまで解釈であって法律ではありませんが)。

そもそも思った事として、私も府中競馬場で馬券を購入したことがありますが、誰が馬券を購入したかなんてわからないですよね。しかも、はずれ馬券なんて競馬場に行けばいくらでも落ちています。となると、少なくとも競馬場で購入するような馬券については、経費として認めることは難しいでしょう。万が一はずれ馬券が経費として認められる方向になったとしてもネット購入することが大前提ですね。

3.ネットで購入した高額的中の無申告はバレます

以前、何かの税ニュースで、公営ギャンブルで払戻金1000万円以上の徴税を強化するというニュースがありました。要は無申告の方が多すぎるのでそれを是正しようという事です。具体的には、払戻金1000万円を超える的中者の氏名や銀行口座番号等を記録・保存するよう通達を出したようです。これが事実であれば、高額的中した無申告者は一網打尽ですね。となると、ネットで購入すると簡単にバレるので、可能な限りばれないように競馬場などで購入する人も増えそうです。

4.まとめ

私の立場としては、はずれ馬券が経費として認められる範囲が広がる必要がある!という訳ではありません。今回のケースは色々と問題があり何かしら解決すべき事案なのかもしれませんが、課税の公平性という点で解消すべき事案がありますので、そちらをどうにかしてほしいです。因みに、インボイス制度はもう少し簡素なやり方がないのだろうか?とは思うものの、方向性としては賛成の立場です。当税理士事務所の顧問先には、売上1000万円未満の個人事業主もいますので心苦しいのですが。

 

 

 

 

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