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税理士の選び方を規模の視点で。
1年以上前のコラムで税理士の選び方についてコラムを執筆しました。この中でも少し触れましたが、今回は税理士事務所や税理士法人の規模について考えてみます。正直、税理士選びは運の要素が大きいのは否定できないのですが、今回のコラムで良い税理士(担当者)に巡り合う可能性が少しでも高まれば嬉しいです。因みに、以前執筆した内容は以下のコラムをご覧ください。
【目次】
- 税理士事務所の種類
- 規模の大きい税理士法人・税理士事務所
- 従業員を採用している税理士事務所
- 一人税理士事務所
- まとめ
1.税理士事務所の種類
名古屋近辺の税理士事務所(税理士法人)のホームページを時々拝見するのですが、税理士事務所は大きく3つに分かれるのかなと思っています。その3つとは以下の通りです。一人税理士事務所とは、全て税理士一人でやっているという事ではなく、パートさんを雇いつつ、対顧問先の対応は税理士一人が対応しているという意味です。当税理士事務所も一人税理士事務所に該当しますが、私は規模を拡大するつもりで、実際にその方向で進めているので、近いうちに従業員を採用している税理士事務所になる予定です。
- 規模の大きい税理士法人・税理士事務所
- 従業員を採用している税理士事務所
- 一人税理士事務所
1.規模の大きい税理士法人・税理士事務所
辻・本郷税理士法人や税理士法人山田&パートナーズなどが有名ですが、ここまで規模が大きくなくても、従業員が百人規模の税理士法人は各地域に存在するのではないでしょうか。名古屋にもその規模の税理士法人は存在すると思います。長崎にはその規模の法人はないかな。
基本的に一定規模の税理士法人に依頼した場合、税理士が担当してくれる可能性は極めて低いです。税理士の下で働く無資格のスタッフが担当することになります。だからと言ってダメという訳では全くありません。どの業界でも同じですが、資格があっても無能な税理士はいますし、資格がなくても有能な方はたくさんいます。私が一番信頼している方は、税理士資格は持っていませんが能力はとても高いです。といっても税理士資格はあと1科目なので、すぐに税理士になる方ですが。
ある程度規模が大きければ、組織体制はしっかりと整備されているはずですので、税理士によるチェック体制は問題ないでしょう。従って、担当は資格のないスタッフであっても、その後ろには税理士がしっかりとフォローしていますので、大きな問題は発生しないと思われます。また、規模の小さい税理士事務所と比較すると、スタッフの能力も一定程度担保されているはずです。業界低位の会社よりも上位の会社の従業員の方が、能力が担保されているはずという単純な理屈です。
辻・本郷税理士法人や税理士法人山田&パートナーズといった規模が大きすぎる税理士法人に依頼する機会はまれかもしれませんが、各地域に存在する例えば100人規模の税理士法人や税理士事務所で、ホームページを確認して組織体制が充実してそうだと判断すれば、そこに税務顧問を依頼するのはありだと思います。顧問料は少々高いかもしれませんが、外れを引く可能性は相対的に低いような気がします。
2.従業員を採用している税理士事務所
数名から10名程度の従業員を採用している税理士事務所(税理士法人もある)を想定しています。こちらも基本的に税理士が担当することはないのですが、私はこの規模の税理士事務所は当たり外れが大きいと考えています。
この規模だとトップの税理士の影響力が大きいのですが、その税理士が協会活動やゴルフにばかり精を出して、従業員のフォローを全くしていない事務所を時々ですが見聞きします。最近知り合った方(税理士事務所から一般事業会社へ転職した方)も、トップはゴルフばかりに行っていてほとんど見かけませんよと言ってました。税理士事務所がブラックだと言われる所以です。このような事務所の場合、従業員の教育体制も整っていないし、従業員のやる気も低いので、外れである可能性が高いです。
逆に当たりの可能性も十分にあります。税理士に能力とやる気があって、しっかりと従業員をフォローしている場合、基本的なやり取りは資格のない従業員ですが、税理士が積極的に参加してくれるなど、税理士と近い関係を維持できることも多いようです。
しかし、外部から税理士事務所の実態を把握することは不可能に近いです。ではどうやって当たりの税理士事務所を探せばよいでしょうか。可能性を少しでも高くするための私なりの視点をいくつかご紹介します。
- ホームページがないと何も情報を得られませんので、ホームページは必須
- ホームページが定期的に更新されている
- ホームページは税理士事務所の特徴が表れるので、自分と合ってるか否か
税理士のホームページを見比べて頂くとわかりますが、本当に特徴が異なります。当税理士事務所の顧問先になってくれた方の中には、ホームページをみて自分と合いそうだったからと言ってくれた方は結構います。そして、今のところ顧問先を失ったことはないので、ホームページをみたときの印象と今の印象にそれほど差異がないのだと思います。
3.一人税理士事務所
税理士である私が全て対応します!というメリットをアピールできるのが一人税理士事務所の特徴です。当税理士事務所も、現時点では税理士である私が直接対応するので、このメリットをアピールすることは可能です。とはいえ、いずれが対顧問先の対応を行うスタッフを採用する予定なので、このメリットはアピールしないようにしています。
一人税理士事務所のホームページを拝見すると、今後も人を雇わずにやっていきます!と宣言している税理士も多いです。従って、税理士が永続的に関与してもらえるので、そのように宣言している税理士を探して依頼するのは結構いいやり方だと思います。一人税理士事務所は、得意分野を絞って集客していることも多いので、ご自身に合った税理士を探しやすい特徴もあります。税務調査に強い税理士、システムエンジニアに特化した税理士、医者に特化した税理士といった感じでしょうか。
注意点としては、その税理士の経歴です。一人税理士事務所である以上、その税理士に依拠する訳ですから、本当にご自身にとってメリットがあるのか検討が必要です。一人税理士事務所のホームページは、税理士の経歴をしっかり記載していることが多いので(自分を選んでもらう為に)、判断材料は十分にあると思います。
2.まとめ
どの税理士を選択するかは会社の規模にもよります。例えば、将来的に株式公開を目指すような企業であれば、規模の大きい税理士法人が良いでしょう。しかし、ほとんどの企業はそうではありません。
個人事業主や売上1億円規模の小規模企業であれば、ある程度規模の大きい税理士法人(税理士事務所)か、一人税理士事務所が良いのかなと思います。規模の大きい税理士法人は、組織体制が整備されている可能性が高いので、一定水準以上のサービスが提供されるだろうと推測しました。一人税理士事務所については、やはり税理士が担当してくれる点が大きいです。小規模の税理士事務所は、結構リスクが高いのかなと思っています。とにかく外から実態が見えにくい気がします。
今更ですが、完全に私の偏見ですので、その点はご了承ください。
当税理士事務所は、売上数億円規模までの会社を対象にしています。それは、私が提供できるサービスの質という視点、私の得意不得意という視点、事務所経営の効率性といった視点からそのように設定しています。事務所の規模が大きくなれば、会社の対象もかわってくると思いますが。