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経理代行も一つの選択肢。経理担当が辞めた時に検討しましょう。
中小零細企業の場合、経理担当は1名でまわしていることが多いです。そして、その経理担当が急に退職してしまうと、次の担当者を採用するにも時間がかかりますし、実務では結構困ってしまいます。また、顧問先の社長と話をしていて、経理担当として従業員を雇ったけど給料に見合った仕事量がなくて失敗したという話も聞きました。このような問題点の一つの解決方法が経理を外注する事です。今回は、経理代行を依頼するメリットやデメリットについてお伝えします。
【目次】
- 経理代行とは
- 記帳業務
- 給与計算業務
- 入出金の管理業務
- 経理代行のメリット
- 人件費コストを削減できる
- 不正を防止することができる
- 簡単に切り替えが可能
- 仕入税額控除の対象である
- 経理代行のデメリット
- 料金が高くなる場合も
- 情報が外部に流出する可能性も
- まとめ
1.経理代行とは
会社の経理部や総務部が担当する業務(経理の支払いといった入出金の管理、従業員の給料計算、仕訳・記帳の処理、請求書の作成など)を、外部の経理代行業者や税理士に依頼する事です。特に時間を要する業務を挙げてみます。
1.記帳業務
請求書、領収書、給与明細、レシートなどに基づき、会計システムに仕訳を起票する業務です。この業務は、簿記の知識が必要であるため、税理士に依頼することも多いです。当税理士事務所の場合、個人事業主の9割は、当税理士事務所(厳密には関連会社)に記帳代行を依頼します。法人の場合は5割でしょうか。
2.給与計算業務
毎月の役員や従業員の給与を計算する業務です。給与計算だけでなく、入退社に伴う社会保険・雇用保険の届出業務や住民税の特別徴収など結構面倒な手続きが多いのが特徴です。当税理士事務所の場合、社労士に依頼している会社もあれば、freee人事労務などを頑張って活用してご自身で対応されている会社など、色々です。
3.入出金の管理業務
元請への請求書の発行、外注先への支払業務など、お金の入出金を管理する業務です。絶対に間違えられない業務なので(間違えると信用を失う)、慎重に行う必要があります。
2.経理代行のメリット
1.人件費コストを削減できる
従業員を採用すると、従業員の給与だけでなく社会保険、福利厚生、研修教育費といったコストがかかってきます。また、経理担当が退職してしまうと、新たに経理担当の従業員を採用するために求人費用も発生してしまいます。このように、従業員を採用するという事は、非常にコストがかかるものです。この点、経理代行に依頼した場合、正社員よりはかなり安く済ませることができますし、パートさん並みに抑えることが可能です。
2.不正を防止することができる
私は、不正を働いた本人から電話で相談を受けることが年に数回あります(税務調査絡みです)。また、当税理士事務所のコラムでも、役員や従業員不正に関するコラムはよく読まれています。以下のコラムです。1日の半分以上がこのコラムという日もあります。”税務調査 横領 バレる”というキーワードが多いです。
つまり、皆さんが気づかないだけで、従業員の不正って頻繁に起こっていると考えた方がよいです。特に経理担当が1人しかいないと、他の従業員が誰もわからないので不正を働く動機づけになってしまいます。従業員不正を防ぐ手立ても上記のコラムに纏めていますので参考にしてください。
経理代行業者や税理士に外部委託することで、不正の発生可能性は低くなります。勿論、外部委託先が不正を働く可能性はあるものの、しっかりとした業者を依頼すれば問題ないでしょうし、特に税理士事務所の関連会社であれば、不正ができないような仕組み作りもできているでしょう(不正が発覚すると、税理士業務にも多大なる支障をきたすので、そんなリスクは負いたくないはず)。経理代行で検索すると、リスティング広告が結構出てきます。そのホームページをよく見ると、大体は税理士事務所や税理士法人の関連会社ですので、信頼性は一定程度担保されていると思います。
3.簡単に切り替えが可能
私はこの点もかなり重要だと思います。日本では、従業員を採用してしまうと辞めさせることがとても難しいです。つまり、雇ったはいいものの、全く使えない人だった場合、コストでしかなくなります。これって中小零細企業にとっては厳しすぎます。大企業であれば、そのような使えない人がいても会社は回りますが(実際にたくさんいますよ)、中小零細企業はそうはいきません。
しかし、外部委託した場合、担当者のレベルが低ければ、他の担当者に代えるようにクレームをいう事ができますし、少し面倒ですが他の代行業者に変更することもできます。使えない場合は簡単に代替可能という状況はとても大きなメリットだと思います。
4.仕入税額控除の対象
3.経理代行のデメリット
1.料金が高くなる場合も
メリットでは人件費が削減できます!とお伝えしましたが、経理代行業者との契約内容によってはデメリットにもなり得ます。定額制の場合は比較が容易なため問題ありませんが、従量課金制の場合、外注先に委託する仕事量によっては高くなる可能性もあります。この点は慎重に検討する必要があります。
2.情報が外部に流出する可能性も
会社の情報すべてが経理代行業者に筒抜けなので、そこから外部に流出する可能性も否定できません。その点、税理士事務所・税理士法人が運営している経理代行業者がまだ信頼性はあるかなと思います。その理由は、そもそも税理士は顧問先の情報を保有しているため(当税理士事務所は、顧問先の銀行口座の情報をfreeeを経由して把握することが可能)、会社の重要情報を既に持っている先に依頼しても、通常よりリスクは低いのではないでしょうか。
3.まとめ
今回は経理代行についてお伝えしました。一度、真剣に検討する価値はあると思います。因みに当税理士事務所の場合、他社のように広告で集客しているわけではありませんが、関連会社で経理代行を受けることが可能です。その関連会社には都市銀行でばりばり働いていた社員がいるので、その辺の経理代行業者の従業員よりもしっかりとしたサポートが可能です。