名古屋市で税理士・会計士をお探しなら梁瀬会計事務所「コラム・解決事例」ページ

営業時間:平日 9:00〜18:00(土日祝日も対応可能) 052-990-1575

CONTACT

News & Column

2021.10.26 コラム

親族へ払う家賃や給与は経費にできる?所得税法56条と節税特例

「生計を同じくする配偶者や親族に支払った家賃や地代は、事業の必要経費として落とせるのだろうか?」
「配偶者名義の持ち家(住宅)や賃貸マンションを事務所にしている場合、経費処理する方法はあるのだろうか?」

個人事業主が家族や親族とお金のやり取りをした際、税法上(所得税法第56条)の原則として「生計を一にする親族に支払う給与などは、事業の必要経費に算入できない(必要経費不算入)」と決められています。これは過度な家族間での利益操作や節税を防ぐためのルールです。

しかし、一定の特例(青色事業専従者給与など)を活用することや、「親族が第三者へ支払った家賃・固定資産税・減価償却費等の事業使用割合分」を事業主の必要経費として集計することは法律上認められています。

今回は、親族間の取引における経費化の原則と、生計一親族の費用を正しく必要経費へ計上して節税につなげる実務のポイントについて分かりやすく解説します。

【目次】
  1. 原則:生計を一にする親族に支払う給与・家賃は経費化不可
  2. 【特例①】親族が「第三者へ支払った家賃・保険料」の事業使用割合の経費化
  3. 【特例②】「妻・親名義の持ち家」を事務所にしている場合の減価償却費・固定資産税
  4. まとめ:家族間の費用を正しく集計して合理的な節税を実現しよう

1.原則:生計を一にする親族に支払う給与・家賃は経費化不可

所得税法第56条の規定により、個人事業主と財布(生計)を一つにしている配偶者や親族に対して支払う給与・家賃・地代などは、原則として事業の必要経費として認めることができません。

なぜ家族間のお金のやり取りは経費にできないのか?

同じ生計の中で「夫から妻へ家賃5万円を払った」「親から子へ給与10万円を払った」としても、同一世帯全体の資産や手元資金には何の変動もないためです。これを自由に認めると、税金を減らす目的だけで自由に経費が作れてしまうため法律で禁止されています。

例外として、税務署へ事前に届け出を行う「青色事業専従者給与の特例」や「白色申告の事業専従者控除」を適用した場合に限り、専従者である家族への給与が認められます

🔗 関連コラム:青色事業専従者給与で節税!届出期限と税務調査のチェック要点

🔗 関連コラム:白色申告の「事業専従者給与(控除)」で失敗しないための注意点と計算方法

2.【特例①】親族が「第三者へ支払った家賃・保険料」の事業使用割合の経費化

「妻名義で契約している賃貸マンション(配偶者が第三者である管理会社へ家賃を支払い)に住み、その部屋の一部を夫の事業用オフィスとして使用している」といったケースです。

夫から妻へ直接支払う家賃は経費になりませんが、「妻が家主(第三者)へ支払っている家賃総額」のうち、夫の事業で使用している面積・時間の割合(事業専従割合)に相当する金額は、夫の事業の必要経費として計上することができます。

家賃だけでなく、妻や親名義で契約・支払っている事業用の火災保険料や水道光熱費についても、事業使用割合分を合理的に計算して必要経費に含めることが可能です。

3.【特例②】「妻・親名義の持ち家」を事務所にしている場合の減価償却費・固定資産税

個人事業主が「妻や親が所有している一戸建て・マンション」に同居し、その建物の一部を店舗や事務所・作業場として利用しているケースも同様です。

建物の所有者である妻や親に対して「家賃」を支払っても経費にはできませんが、生計一親族が所有する建物そのものの「減価償却費」や「固定資産税」「都市計画税」のうち、事業用として使用している割合分を、事業主の必要経費に算入することができます。

【注意】住宅ローン控除(税額控除)との兼ね合いを精査する

建物の所有者である妻や親が「住宅ローン控除」を受けている場合、建物全体のうち事業用として経費化した割合分は住宅ローン控除の対象から外れてしまいます。

事業の所得税節税額と、所有者の住宅ローン控除減額分のどちらが有利かをシミュレーションして処理を決定することが重要です。厳密には実態に応じて処理しなければなりませんが。

4.まとめ:家族間の費用を正しく集計して合理的な節税を実現しよう

今回は、個人事業主と親族間における費用の必要経費算入ルールと節税テクニックについて解説しました。

「家族名義だから経費にできない」と思い込んで諦めていた費用であっても、第三者への支払い実績や固定資産税・減価償却費の事業按分(家事関連費)を活用することで、適法かつ大幅に所得税・住民税を抑えられる可能性があります。

実態に基づいた正しい按分計算を行い、手元資金を残す適切な確定申告を行いましょう。

梁瀬会計事務所では、愛知県名古屋市を拠点として、愛知・岐阜・三重を中心に全国の法人・個人事業主をサポートしております。顧問先の紹介などもあり、実際に東海三県を超えて、代表の地元である長崎県や東京都など全国各地の法人・個人事業主からもご選定いただいております。

「家族名義の自宅や家賃を経費にできるか確認したい」「専従者給与や按分計算を含めた最適な確定申告をプロに相談したい」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。

 

 

 

 

この記事は更新日時点の情報となります。掲載の情報は法改正などにより変更になっている可能性があります。また、この記事内容は結果を保証するようなものではありませんので、掲載されている情報を利用することで生じた、いかなる問題、損害等に対しても一切の責任を負いません。自己責任において、ご活用ください。