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2021.01.31 コラム

個人事業主の税務調査で「重加算税」になる具体例6選

当事務所で新規の税務調査のご相談をお受けする際、最も多いのが「顧問税理士のいない個人事業主の方」からのご連絡です。そして、その席で高確率で聞かれるのが、「自分は重加算税(最も重いペナルティ)の対象になってしまうのでしょうか?」という不安の声です。

ネット上には様々な情報がありますが、重加算税が課される基準は国税庁の「事務運営指針」によって明確に定められています。

今回は、国税庁の公式指針をもとに、個人事業主が税務調査で重加算税の対象となってしまう具体的なケースを解説します。

前提として、「仮装・隠蔽(うそやごまかし)」は絶対にやってはいけません。税務調査でこれが見つかると、調査官の追及は一気に厳しくなりますし、重加算税が課されると将来の税務調査の頻度も高くなるなど、納税者にとってデメリットしかありません。

【目次】
  1. 重加算税の対象となる6つの具体例
    1. 配偶者や親族による不正(「俺は知らなかった」は通用しない)
    2. 二重帳簿の作成
    3. 帳簿書類の破棄や隠蔽(売上口座の隠匿など)
    4. 帳簿書類の改ざん(架空経費の偽装)
    5. 取引先に嘘の書類を作成させる
    6. 税務調査で嘘をつく
  2. まとめ

1.重加算税の対象となる6つの具体例

国税庁の指針では、「課税の基礎となる事実を隠蔽・仮装した」とみなされる代表的な不正行為として、以下のケースを挙げています。

1.配偶者や親族による不正(「俺は知らなかった」は通用しない)

個人事業主の実務で本当によくあるのが、「個人事業主であるご主人は現場仕事に集中し、奥様が経理・申告を丸投げされている」というケースです。

もし奥様がご主人に相談せず、勝手に売上を除外して税金を安くしていた場合、ご主人自身に悪意がなかったとしても、「配偶者が行った不正行為は、納税者本人が行ったものとみなす」というルールがあるため、容赦なく重加算税の対象になります。

💡 法律上の建前とリアル
そもそも法律上、確定申告書を作成・提出できるのは「本人」か「税理士」のみであり、配偶者であっても勝手に作成することはできません。とはいえ、実際の税務調査で「他人が作ったこと」自体を突っ込まれたケースは、私の経験上1度(経理知識のある友人に作らせていた特殊なケース)しかありません。

通常の夫婦間の役割分担であればそこは問題視されませんが、「妻が勝手にやったから、重加算税を課さないでくれ」という言い訳は100%通用しないので注意してください。私が立ち会った愛知県名古屋市の個人事業主の税務調査もまさしく同じケースでした。

2.二重帳簿の作成

外部(税務署や銀行)に見せるための「嘘の帳簿」と、社内(自分用)の「正しい帳簿」の2種類を使い分ける行為です。 当然、一発でアウト(重加算税)になります。

ただ、私がこれまでに立ち会った税務調査の案件では、二重帳簿の事例は1件しかありません。なぜなら、そもそも帳簿を1冊すら作っていない「どんぶり勘定」の方が圧倒的に多いからです。

3.帳簿書類の破棄や隠蔽(売上口座の隠匿など)

現金売上の領収書をシュレッダーにかけたり、特定の売上が入金される「隠し口座」を税務署に隠したりする行為です。よく「バレない隠し口座の作り方はありますか?」と聞かれますが、税理士は不正の加担・アドバイスはできません。

税務署の権限は強力で、銀行に対して「この納税者の口座を、全支店から探してください」と一発で照会をかけることができるため、口座を隠し通すのは不可能だと考えてください。

4.帳簿書類の改ざん(架空経費の偽装)

外注費などの金額の大きい経費を架空計上し、自分で領収書を偽造・改ざんする行為です。

形だけの領収書を用意しても、税務署は金額の不自然さを見逃しません。実際にその外注先へ「反面調査(外注先への直接確認)」するため、すぐにバレます。特に「現金手渡し外注先」への架空支払いは、税務署も反面調査を行うことを前提に動くため、極めてリスクが高いです。

5.取引先に嘘の書類を作成させる

下請け業者などの立場が弱い取引先に対して「架空の請求書や領収書を発行してほしい」と強要するケースです。 これも反面調査に行かれれば一発でばれます。

下請け業者は、力関係から書類の偽造には協力したとしても、「自分の確定申告(売上)」まで嘘の過少申告をして、自分が税務署に処罰されるリスクまでは負ってくれないからです。相手の帳簿と突き合わされた時点で100%発覚します。

6.税務調査で嘘をつく

国税庁の指針には、「質問に対して虚偽の答弁を行い、隠蔽・仮装が合理的に推認できる場合は重加算税」とあります。 つまり、税務調査の当日に調査官に対して嘘をつき、それがバレたら重加算税が確定するということです。

税務調査で嘘をつくのは、戦略として完全に間違いです。嘘をついて自滅するくらいなら、実際の調査が始まる前に、嘘をつかなくて済むように「事前の修正申告」を出すことを強く検討してください。

🔗 関連コラム:税務調査前に修正申告書を提出するべきか

2.まとめ

今回は、国税庁の事務運営指針をベースに重加算税のリスクを解説しました。もし今回ご紹介した内容に心当たりがある場合、「税務調査が入ったら確実にバレる」と思ってください。

不正は道徳的にダメなのはもちろんですが、「見つかった時の追徴課税や延滞税の負担(費用対効果)」の面から見ても、圧倒的に割に合わない最悪の戦略です。

過去の申告に少しでも不安(売上漏れや架空経費など)がある方は、最終的に税理士に立会い依頼をするか否かに関わらず、事前の段階でプロに一度相談しておくことを強くお勧めします。過去には、過少申告の意図はあったものの、適切な対応によって重加算税を回避できた事例もあります。

🔗 関連コラム:過少申告の意図は認められるが、重加算税は課されなかった事例

梁瀬会計事務所では、愛知県名古屋市を拠点として、愛知・岐阜・三重を中心に全国の方を対象として、税務調査に関する最初の事前相談を【無料】でお受けしています。ネット広告等に高額な費用をかけていない分、当日の立会い料金も他の事務所よりリーズナブルに設定しています。手遅れになって大損する前に、まずは一度お気軽にご相談ください。

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