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自己破産しても税金は逃れられない
税務調査や無申告の相談を受けている時に、たまに聞かれることがあります。自己破産したら税金払わなくても大丈夫ですよね?という質問です。今回は自己破産と税金の関係についてお伝えします。
【目次】
- 自己破産しても税金から逃れられない
- 自己破産の手続きが開始されると換価の猶予は認められない
- まとめ
1.自己破産しても税金から逃れられない
その答えはNoです。自己破産しても税金から逃れることはできません。私の周りにも自己破産した方がいますが、消費者金融などの借入は清算されたものの、税金は自己破産後も払い続けています。その理屈については弁護士事務所のホームページなどで説明されているのでそちらをご覧頂きたいのですが、感覚的にも自己破産で税金逃れができてしまうと、課税の公平性が全く担保されないので当然かなと思います。
2.自己破産の手続きが開始されると換価の猶予は認められない
私の顧問先は、税務調査後に顧問先になった事業主、過去の無申告を解消するために5年分の期限後申告を行った事業主も多いのですが、換価の猶予を申請して分割で納税されている方も一定数います。分割納税の詳細については以下のコラムをご覧ください。
この換価の猶予について1つ注意点をお伝えします。国税庁のホームページに猶予の申請の手引という資料があります。その中に換価の猶予が不許可となる場合の例示があります。
6 不許可となる場合
次のいずれかに該当するときは、換価の猶予を許可することができません。なお、猶予の不許可に不服がある場合は、所定の期間内に限り不服申立てをすることができます。
① 猶予の要件に該当しないとき。
② 申請者について強制換価手続(*1)が開始されたとき、法人である申請者が解散したとき、申請者が国税の滞納処分の執行を免れたと認められるときなどにおいて、猶予を受けようとする国税を猶予期間内に完納することができないと認められるとき。
③ 申請者が、猶予の審査をするために税務署の職員が行う質問に対して回答せず、又は帳簿書類等の検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき(*2)。
④ 不当な目的で猶予の申請がされたとき、その他その申請が誠実にされたものでないとき(*3)。*1 「強制換価手続」とは、滞納処分、強制執行、破産手続などをいいます。
*2 「帳簿書類等の検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき」とは、具体的には、言動や行動で検査を承諾しない場合、検査に障害を与える場合、検査の対象から免れる場合などが該当します。
*3 「申請が誠実にされたものでないとき」とは、猶予の申請が不許可又はみなし取下げとなった後に、同一の国税について再度猶予の申請がされたときなどが該当します。
つまり、自己破産手続きを開始すると換価の猶予は認められず、すぐに返済しなければならないという事です。個人的には、自己破産しても納税義務は逃れられないため、換価の猶予位は認めてほしいと思うのですが、国税の理屈としてはこのような形になっているようです。仕方がない面もあるのですが、自己破産しても今後はしっかりと納税したい人たちまで潰しかねないので、このルールはちょっと厳しいなと感じます。
また、最初の2年間の分割納税の申請は、申請金額がそのまま通ることが多いですが、3年目からは結構厳しめになります。分割納税の計画書を提出した後、税務署の徴収部門から月々の支払額を増やせないかという問い合わせがよくきますので。税務署側の審査がなかなか通らないんでしょうが、これは理屈としてはよくわかります。そのため、顧問先に対しては、何とか2年で完済できるように(もしくは2年後時点で完済が見通せるように)頑張りましょうとお伝えしています。
3.まとめ
今回は自己破産と税金の関係についてお伝えしました。正直この2つが同時進行だとかなりつらいです。実際にその経験をした顧問先がいますが、本当に厳しかったです。売上が入金されるたびに差し押さえとなり、差し押さえが終了するまでの資金繰りがぎりぎりの状態でした。この状況に陥ってしまうと、一人で挽回することはとても難しいです。配偶者、子供、友人といった周りに支えてもらい、何とか挽回してもらいたいです。
因みに私の顧問先は、今は国税の滞納金は払い終え、そのほかの税金を少しずつ支払っているところです。この方は山は越えたので間違いなくいい方向に進むと思います。