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2022.05.19 コラム

顧問税理士がいても黒に近い経費が…

私は税理士よりも公認会計士として働いていた期間が長いので、横のつながりも公認会計士が多いです。監査法人を退職して独立し、がんがん稼いでいる知り合いもいるので刺激になります。本当は税理士試験に合格された方とも交流があった方がいいんだろうな~と思うものの、異業種交流会を含め交流会的なものに参加しないので、出会うこともなく…という感じで今まで来ています。

先日、独立した士業仲間と話していて、本当に?と思う話があったので今回ご紹介します。対象となる会社名は知りませんし、実際にこういった事例があったんだよね~という感じで聞いた話です。この話は痺れましたね。

【目次】
  1. 限りなく黒に近いグレーの経費
    1. 高額な時計(ロレックス)を固定資産計上
    2. 美容代を経費処理
    3. 雑費処理、そして税務調査へ
  2. まとめ

1.限りなく黒に近いグレーの経費

1.高額な時計(ロレックス)を固定資産計上

ロレックスのデイトナなどは本当に手に入らないようです。中古で買うにしても、定価よりも高額で購入せざるを得ないようで、本当に欲しい人にとっては大変な状況です。良くも悪くも資本主義の一面です。そのロレックスが固定資産として計上されていたようです。どういう理屈で固定資産に計上したのでしょうか。私には理屈づけるのは無理ですね。推測ですが、当時の税理士事務所も経費になりませんよと伝えたものの、社長から押し通されて固定資産に計上したのではないでしょうか。私だったら顧問契約を解消します。税務調査が来た時に説明できないですし、そのような経費を容認する税理士事務所とみられると他の顧問先に迷惑がかかるので。別のコラムでも書きましたがアップルウォッチであれば、携帯電話と同じ機能があるので経費処理の余地はありますが、ロレックスはさすがに難しいです。

2.美容代を経費処理

社長が通っている美容系のエステ代を経費処理していました。しかも結構な額だそうです。芸能人だったり、美容系のYoutuberなどであればまだ説明できなくはないですが、どのように考えても建設業だったりシステム業の社長だと無理ですよね。当然、美容室の費用も経費処理していたそうです。何でもかんでも経費処理している印象です。先日、美容室に行った時に領収書もらう人がいるか聞いてみました。何人かいますよとの事でしたが、そのうちの一人は職業的になぜ経費処理できるかよくわかりませんでした。

3.雑費処理、そして税務調査へ

ロレックスを固定資産計上する位ですから、きっと他にも色々な黒に近いグレーの経費があるのでしょう。私なら怖くて顧問契約を結ぶことはできません。このような訳の分からない経費は勘定科目の振り分けも難しいので、とりあえず雑費処理にという流れになります。そうなると、雑費の金額が増えるので税務署の目に留まります。そして、税務調査に選定され、対応を誤れば簡単に重加算税も課されそうな流れです。プライベート支出は、役員賞与として経費処理もできず、所得には加算されるため所得税は増えるという無駄に税金を支払う事にもなります。

そういえば、経費の大部分を雑費で処理している~という内容の本を読みました。その本については以下のコラムでご紹介しています。

ダメな税理士・会計事務所の特徴とは

2.まとめ

当税理士事務所の顧問先に対しては、経費にできるか不明なものは念のために問い合わせしてくださいとお伝えしています。本人が勝手に経費にはならないと判断するのはもったいないからです。という事で色々な質問がきます。実際に、ようやくロレックスを買う事ができたのだけど経費にできますか?と聞かれたこともあります。この時は、完全に雑談の中であり顧問先も経費にできないよねとわかった上での質問でしたし、私も無理ですと即答しました。

経費にできそうなものについては、否認されるリスクもお伝えした上で、しっかりと理論武装するように伝えています。理論武装した上で、税務調査で戦いましょうと。とはいえ、特に法人の場合は否認されたときのダメージが大きいので、その点は繰り返し伝えています。その結果、有難いことに私の顧問先は、過度にアグレッシブな方はいないのでこちらとしても助かっています。

当税理士事務所の顧問先は、税務調査後から顧問先になった方も多く、売上過少計上といった適当な申告をしていて税務調査で痛い目を見た人も多いので、二度と同じような目に合いたくないという思いから固めに処理する方が一定数います。私からすると保守的すぎだと思うのですが、本人がそれでいいというのでそのまま進めています。税理士からすると一番いい顧問先ですよね。

 

 

 

 

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