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公認会計士は間違いなく独立しやすい
私はまだ監査法人の非常勤勤務を継続しています。勤務日数は徐々に減らしているものの、それなりの日数働いています。4月から5月中旬に限って言うと、監査法人の繁忙期という事もありほぼ監査法人の非常勤勤務です。この忙しい時期に働かないと監査法人側も非常勤を活用するメリットがありませんので、私たち非常勤もそれなりの時間働くことになります。とはいえ、ここ1年で一気に税務顧問先が増えたので、さらに勤務日数は減らすことになりそうです。このままだと体がもちません。
収入的には非常勤務しなくても何ら問題ないのですが(非常勤勤務の収入割合は2割ちょっと)、諸々の事情により続けています。先月、日経新聞に四半期報告書が廃止の方向に進んでいる旨のニュースをみました。第1四半期と第3四半期は決算短信(今の短信は公認会計士の監査が不要)のみとし、第2四半期の対応は今後詰めるような内容でした。監査をする立場では大賛成ですが、これが実現すると非常勤勤務のニーズが減るかもしれないので、収入の大部分が非常勤勤務の収入の方にとっては心配になるニュースなのかもしれません。
【目次】
- 私が非常勤勤務をやめない理由
- 単価が高い
- 会計士としての感覚を維持したい
- 監査法人は人手不足
- 会計士が独立しやすい理由
- まとめ
1.私が非常勤勤務をやめない理由
1.単価が高い
やっぱり一番大きいのは単価が高い事です。私がやるような税理士の仕事と比較すると明らかに単価は良いです。国際税務といった単価の高い税理士の仕事もありますが、私の業務の範疇外なので。
2.会計士としての感覚を維持したい
名古屋で仕事をしていると会計士としてのスキルを活かせる仕事はそう多くありません。周りで独立した人と話しても、会計士のスキルを活かして仕事をしている人は東京で働いているのが実情です。私がこのまま税務の仕事を続けることができる確たる保証がある訳ではないので、会計士としての仕事も維持しておきたいという思いがあります。
3.監査法人は人手不足
私が監査法人に就職した頃、完全な買い手市場で就職難民も出ている状況でした。私はもともとシステムエンジニアとして日本IBMで働いた後に公認会計士になったことから、監査法人に就職した時期が30歳位でしたので、売れ残ってもおかしくない状況でした。にもかかわらず採用して頂いたという恩があるので、可能な限りその恩を返したいという想いがあります。そして監査法人は人手不足が顕著です。今は非常勤務のニーズがありますので、関与時間は減らしていきますが可能な限り働こうと思っています。
2.会計士が独立しやすい理由
監査法人に勤務していることが大前提ですが、理由は明確です。私もそうでしたが監査法人の非常勤勤務というとても魅力的な収入源があるからです。例えば月に2週間程度働けばそれなりの額が貰える事から、残りの2週間で新しい仕事を進めていくことができるため精神衛生上とても良かったです。私は監査法人をやめた当初は、平均すると監査法人2週間、税理士法人2週間という働き方をしていました。そもそも就職した税理士法人で2週間勤務でOKとしてくれたボスには本当に感謝しています。普通じゃありえないので。
しかし、この収入源に頼りすぎると他の仕事がなかなか軌道に乗らないので、そうなるとかなりまずいです。監査法人から契約を切られたら一気に収入が減りますので。パート感覚で働いているのであれば全く問題ありませんが、そうではない場合はかなりリスキーだと思います。こんなことを言うと怒られますが、パート感覚で働く監査法人の非常勤勤務はコスパ最高です。
私は、集客に強い税理士法人で働くことができ多くのノウハウを学ぶことができました。その結果、独立した後も安定して集客できているのでとても運が良かったと思っています。本当に感謝しています。
3.まとめ
今回は、公認会計士が独立しやすい理由についてお伝えしました。そう遠くない将来、四半期報告書がなくなりそうなので(詳細はほとんど決まっていませんが)、監査法人の仕事がその分だけ減る可能性があります。しかし、仕事の全般量が増え続けているので、四半期報告書がなくなる程度では今の人手不足は解消されません。私が常勤で働いていた頃と今とでは同じポジションの仕事量が全く違います。従って、まだまだ非常勤勤務のニーズは続くことが予測されます。とはいえ10年後どうなるかはわからないので、独立を考えている方は非常勤勤務のニーズがある間にさっさと独立した方が良いだろうと私は思います。成功するか否かは監査法人の非常勤収入以外で稼げるか否かにかかっているので、簡単ではありませんが。
つまり会計士は監査法人の非常勤勤務があるので間違いなく独立しやすい、でも成功するか否かはその人次第、という事だと思います。当たり前の結論ですいません。
成功の定義を稼いでいるとした場合、成功するには何が必要でしょうか。独立して成功する会計士・税理士に求められる最初のスキルは間違いなく税務知識よりも集客能力です。サンプル数は多くありませんが、私の周りで独立した人をみると以下のような感じです。真の勝ち組である親が税理士というケースは独立とは言えないのでここでは除外しています。
- 大成功している人:ネット集客を極めている人
- 成功している人:ネット集客を活用できている人
- 成功している人:士業間のつながりを構築して、仕事を増やしている人
- 成功していない人:何となく異業種交流会などに参加するも集客方法を構築できていない人
そもそも監査法人を辞めて独立する場合、税理士試験を通過した人に比べれば税務の知識はそれほどありません。それでも成功する人はいます。独立を考えている人は、既に独立した人に色々話を聞くことを強くお勧めします。以前の仲間ですので何でも話してくれるはずです。私も成功するために成功者から色々な事を学ぼうとしています。
ここまで書いていると独立を推奨しているようですが、必ずしもそうではありません。成功するとは限りませんし、事業会社に比べれば監査法人は費用対効果の高い勤務先でもあります。変なクライアントに当たらなければ怒られることもありませんし、普通に働いていれば収入もいずれ1,000万円は超えますので。あの働き方で1,000万円というのが安いか否かは大いに議論の余地がありますが…