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2021.10.19 コラム

税務調査の調査官はどういった人たち?

税務調査をたくさんこなしている税理士は、国税局や税務署の調査官と会う機会がとても多いので、どういった人たちか理解していますが、皆さんは全く関わったことがない人が多いでしょうからイメージが先行しているのではないでしょうか。googleで税務調査官を検索すると自動的に窓際太郎の事件簿というキーワードが出てきました。小林稔侍さんが演じる窓際太郎が悪徳政治家などを成敗するドラマです。何度か見たことがあります。このドラマはマルサ案件なので皆さんが普段関わる税務署の調査官とは異なります。そこで、今回は皆さんが相対する税務署の調査官についてお伝えします。

【目次】
  1. 税務調査官になるには
  2. 税務調査官の男女比率
  3. 税務調査官はどういった人たち
    1.  多くの税務調査は強制捜査ではない
    2.  通常の税務調査は任意調査
  4. 税務調査官にノルマはあるの
  5. まとめ

1.税務調査官になるには

2つのルートがあるようです。主に大卒の方が受験する国税専門官採用試験に合格した方と、主に高卒や専門学校卒の方が受験する税務職員採用試験に合格した方です。仕事の内容に違いはありませんが、出世できるポジションだったり、初任給を含めた給料に違いがあります。ある職業情報サイトによれば、国税専門官採用試験の合格者の初任給が245,160円、税務職員採用試験の合格者の初任給が201,600円との事です。

2.税務調査官の男女比率

国税庁のホームページによれば、2019年度の国税専門官の採用状況は女性393人、男性758人でした。女性1対男性2という割合です。私が関与した税務調査だと男性の割合がもっと多いイメージです。女性は管理運営部門などに多く所属しているのかもしれません。

3.税務調査官はどういった人たち

1.多くの税務調査は強制捜査ではない

皆さんは税務調査官はどういった人たちだと思いますか?時々、テレビのニュースで脱税した法人や個人の事務所に行く調査官のイメージが強かったりしませんか。あの人たちはいわゆるマルサです。彼らは大口・悪質な脱税者の刑事責任を追及することなどを目的としており強制捜査の権限を持っています。逮捕までもっていくことを想定しているので当然厳しいです。しかし、皆さんが相対する調査官はマルサではないはずです。もしマルサを思い描いているのであれば全く印象が違うことになります。

2.通常の税務調査は任意調査

通常の税務調査は任意調査です。任意という事は断れるのでは?と勘違いされる方もいますがそうではありません。細かい事は割愛しますが、税務調査官は質問検査権を有していることから実質的に拒否することはできないのです。しかし任意調査という事もあり、納税者の協力を前提としている点がポイントです。調査官は納税者に協力してもらう必要があるため、威圧感を漂わせる人はほとんどいません。昔はたくさんいたらしいですが、私はそういう人と相対したことはないです。税理士が関与しているからかもしれませんが。調査官と話をしている限り、税理士が関与しない場合だけ豹変するような感じでもないです。よくよく考えると調査官は公務員です。私の勝手な認識でしかありませんが、公務員はがつがつした人というよりまじめでおとなしい方が多いような気がします。私はこれまで多くの税務調査に立ち会ってきましたが、その印象と整合しています。従って例外はあるのでしょうが、調査官は怖いという印象は持たなくていいと思います。

威圧的な人はいませんが、話が分からない人は時々います。例えば、交際費の経費性について争っている時に事業の特性を全く理解せずに画一的に経費として認めないと主張する調査官がいます。そういう調査官にあたると非常に面倒です。そういう時はこちら側は修正申告に応じないよってなります。まあ滅多に遭遇しないですが。たまたま遭遇してしまったら、運が悪かったとあきらめ強気で交渉しましょう。勿論、理屈が必要ですが。

4.税務調査官にノルマはあるの

最近、知り合いの税理士がネット上でコラムを執筆していたのですが、そこでは年間20件のノルマが課せられているといった内容がありました。私も税務調査の立会い時に調査官と雑談するのですがこの話はよく聞きます。確かにそれ位はこなしていそうです。それが必達ノルマなのかはわかりませんが。調査官との話で一番びっくりしたのが、同時に8件やっているという話でした。8件の中身はもちろんわかりませんが、他の調査官にその件数を伝えるとびっくりしていました。きっと特殊な事情があったんだと思います。8件は多いにしても、3~4件同時進行というのは普通にあり得ます。そうしないと20件なんてこなせないですから。今はコロナの影響で20件もやっていないでしょうが、平常時はそれ位こなしていますので、かなり大変な職業だと思います。変な納税者もいますしね。

5.まとめ

今回は税務調査官についてお伝えしました。今回のコラムで一番言いたいことは、そんなに変な人はいないよ!という事です。どなったり怒ったりする人は本当に少ないと思います。なかなか交渉に応じてくれない強者はいますが、それは何ら問題ではないですし(こちらには不都合ですが)、そういったタフな方に当たってしまったら運が悪かったと思うしかありません。

 

 

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