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一括償却資産と少額減価償却の違い!節税と償却資産税の使い分け
「20万円未満のパソコンや備品を購入した際、『一括償却資産』と『少額減価償却資産(即時償却)』のどちらで処理するのが得なのだろうか?」
「法人と個人事業主で、一括償却資産の計算方法に違いはあるのだろうか?」
青色申告を行っている中小企業(資本金1億円以下等)であれば、取得価額が30万円未満の設備や備品について、全額を取得した年度の経費にできる「少額減価償却資産の特例(即時償却)」を活用するのが一般的です。⚠️2026年5月10日追記(2026/4/1以降は40万円未満)
しかし、状況によっては20万円未満の資産をあえて「一括償却資産(3年間で均等償却)」として処理した方が、年間の経費枠や「償却資産税(固定資産税)」の負担を抑える上で有利になるケースが存在します。
今回は、一括償却資産の仕組みと計算方法(法人・個人の違い)、および少額減価償却資産との賢い使い分けについて分かりやすく解説します。
【目次】
- 一括償却資産とは?少額減価償却資産(即時償却)との違い
- なぜあえて「一括償却資産」を選ぶのか?(2つのメリット)
- 法人と個人事業主で異なる一括償却資産の計算方法
- まとめ:300万円枠と償却資産税を考慮して最適な選択を
1.一括償却資産とは?少額減価償却資産(即時償却)との違い
購入した備品や設備の取得価額に応じて、税法上の経費処理(減価償却)の選択肢が異なります。
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少額減価償却資産の特例(40万円未満): 青色申告の中小企業等が対象。購入した年度に全額を一括で経費(損金)処理できる(※年間合計300万円が上限)。
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一括償却資産(20万円未満): 法人・個人問わず利用可能。耐用年数に関わらず、一律3年間(36ヶ月)で均等に減価償却する。
多くの中小企業では即座に全額を経費にできる「少額減価償却資産」を選びますが、特定の条件では「一括償却資産」を組み合わせることが有効な節税対策となります。
▼少額減価償却資産 vs 一括償却資産の比較表
| 比較項目 | 少額減価償却資産の特例(即時償却) | 一括償却資産(3年均等償却) |
|---|---|---|
| 対象となる取得価額 | 40万円未満 | 20万円未満 |
| 経費化のスピード | 〇 初年度に全額損金(即時償却) | 3年間で均等に償却(法人:月割/個人:1/3) |
| 年間の利用限度額 | 1事業年度あたり合計300万円まで | 〇 上限なし(無制限に利用可能) |
| 償却資産税(固定資産税) | ✕ 課税対象となる(申告が必要) | 〇 課税対象外!(節税メリット大) |
2.なぜあえて「一括償却資産」を選ぶのか?(2つのメリット)
即時償却できる特例があるにもかかわらず、あえて「一括償却資産」を選択する主な理由は以下の2点です。
①少額減価償却資産の「年間300万円枠」を超えてしまう場合
少額減価償却資産の特例で全額経費にできるのは、1事業年度あたり合計300万円までです。オフィス移転や設備投資で300万円の上限枠を使い切ってしまった場合、20万円未満の資産を一括償却資産に回すことで、法定耐用年数(5年や6年等)よりも早い「3年」で落とすことができます。
②「償却資産税(固定資産税)」の課税対象外にできる(最重要)
実務上極めて大きなメリットがこちらです。少額減価償却資産で全額経費にした資産は市町村の「償却資産税(1.4%)」の課税対象となりますが、一括償却資産として処理した資産は償却資産税の課税対象から除外されます。
パソコンや什器などを大量に購入した際、償却資産税の税負担を直接抑える効果があります。
3.法人と個人事業主で異なる一括償却資産の計算方法
一括償却資産(3年均等償却)は、法人と個人事業主で税法上の計算ルール(月割計算の有無)が微妙に異なります。
法人の場合:月割計算(36ヶ月)が必要
法人税法施行令第133条の2の規定により、取得価額の合計を「36」で割り、その事業年度の「月数」を乗じて経費(損金算入限度額)を計算します。決算直前(期末)に購入した場合は、初年度に落とせる金額が月割り(1ヶ月分等)となります。
個人事業主の場合:月割計算なし(常に「3分の1」)
所得税法施行令第139条の規定により、何月に購入・事業供用したかにかかわらず、取得価額の合計を単純に「3で割った金額(1/3)」をその年の必要経費に算入します。年の瀬の12月に購入した場合であっても、丸々1年分(1/3)を経費化できます。
4.まとめ:300万円枠と償却資産税を考慮して最適な選択を
今回は、一括償却資産の仕組みと少額減価償却資産との使い分けについて解説しました。
購入した備品(10万〜20万円未満)をどちらで処理すべきかは、当期の利益状況(即時償却で利益を圧縮したいか)、少額減価償却の年間300万円枠の残額、および翌年以降の償却資産税の負担額を総合的に比較して判断することが重要です。
自社にとって最も手元資金(キャッシュ)が残る処理方法を算定し、適正な決算・確定申告を行いましょう。