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2025.05.15 コラム解決事例(税務顧問)

領収書とレシートのどちらを保管するべきか

この時期は3月決算の顧問先の申告書作成で忙しい時期です。今回は1期目の法人が1社あるので、その法人の申告さえ乗り切れば、あとは何事もなく無風で終わることができます。3月決算はまだ受注できる状態ではありますが、無理して受注する必要もないので、良い出会いがあった時に限り、あと数社程度かなという感じです。新たに人を採用すればもっと受けることができるのですが、税理士の懲戒処分の事例を眺めていると、アクセルを踏むことに躊躇してしまいます。

前回のコラムでは、税務調査では領収書をどこまで調べられるかについてお伝えしました。今回はお店から貰う証憑として、領収書が良いのかレシートが良いのかについてお伝えします。ここでのお店とは、スーパー、ドラックストア、コンビニなどの小売業を想定しています。前回のコラムはこちらです。

税務調査では領収書をどこまで調べるか

【目次】
  1. レシートでも経費として認められる
  2. 小売業は適格簡易請求書が認められている
  3. 小売業の領収書とレシートの大きな違い
  4. まとめ

1.レシートでも経費として認められる

レシートでは経費として認められないのでは?と聞かれることがありますが、レシートであっても問題なく経費として認めてもらえます。消費税の仕入税額控除を認めてもらうための記載要件がありますが、その記載要件さえ満たしているのであれば、どちらでも問題ありません。

2.小売業は適格簡易請求書が認められている

原則として仕入税額控除を認めてもらうためには、あて名が明記されている必要がありますが、小売業などの「小売業など不特定かつ多数の者に対して課税資産の譲渡等を行う事業」は、あて名「書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称」の記載が不要とされています。

領収書とレシートの違いの1つとして、あて名が記載されているか否かという点があると思いますが、小売業はあて名を記載する必要がないため問題ありません。小売業の他にも、電車などの旅客運送業、飲食店、駐車場なども不要です。

3.小売業の領収書とレシートの大きな違い

ここからが今回お伝えしたい内容です。

スーパーやコンビニなどの小売業の領収書とレシートを確認すると、領収書は購入したものが記載されていない事が多く、レシートは購入したものが記載されている点に違いがあります。購入したものが明記されている領収書もありますが、顧問先から預かる領収書などを眺めていても、明記されていない領収書は多いです。

そして、税務調査的にはこの違いがとても大きいとみています。それはなぜか?

スーパーやドラックストアはプライベート支出が多いと税務署の調査官は思うはずだからです。私は事務所を構えているので、備品を購入するためにドラックストアは利用するので、その時は経費になりますが頻度は多くありません。スーパーはさらに頻度は少ないです。そのため、スーパーやドラックストアの領収書(購入したものが記載されていない)が多ければ、プライベート支出を経費にしているんでしょう?と、とりあえず疑うはずです。逆に購入したものが記載されているレシートであれば、その明細に基づき説明すればよいだけなので、疑われたところで何ら問題ありません。

そもそも購入したものが記載されていない領収書は具体的な取引内容が分からず、仕入税額控除の要件を満たしていない可能性があるので、消費税は否認されるリスクがありますが。

4.まとめ

結論としては、購入したものが明記されているレシート(領収書)が良いという事になります。

私はドラックストアに時々行きます。子供と一緒におやつを買いに行ったり、事務所の備品や目薬を購入したりするためです。そしてレジに並んでいると、「領収書をください」という人が多いこと多いこと。職業病だと思いますが、結構な割合でプライベート支出を経費にしているだろうなとみています。経費にする必要がなければわざわざ領収書を下さいという必要はないし、領収書は購入したものがわからないので、ばれにくいだろうと考えているのでしょう。

真実は本人にしかわかりませんので、仕事で必要なものを購入していると主張されてしまうと経費処理せざるを得ないのでしょうが、それが嘘であれば税務調査で重加算税を課せられる可能性もありますので、やめましょう。

私の顧問先に対しては、スーパーやドラックストアなどで購入した場合はレシートをもらうようにしてくださいと伝えています。明細のない領収書だと駄目という訳ではありませんが、仕入税額控除が認められないリスクがありますし、税務調査で無用な疑いをもらわない為にもそうしたほうが良いですよと。

 

 

 

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