お知らせ・コラム
News & Column
確定申告で「消費税還付」を受ける事業者が急増中!税務署に狙われる理由と注意点
確定申告の時期を迎え、当事務所でも多くの個人事業主の申告作業を進めています。そうした中で、ここ最近の現場で特に強く感じている変化が「消費税の還付(還付申告)を受けるお客様が増えている」ということです。
そして、税理士として絶対にお伝えしておかなければならないのは、下記の国税庁資料からもわかる通り、「消費税の還付申告は、税務署から厳しく監視され、税務調査のターゲットになりやすい」というリスクです。
今回は、確定申告の現場で消費税還付が増えている背景と、税務署に疑われないための注意点について分かりやすく解説します。
【目次】
- なぜ?今年の確定申告で「消費税還付」が増えている背景
- 【注意】消費税の還付申告は税務署の「監視の目」が最も厳しい
- 税務調査・お尋ね(通知)を防ぐための「事前対策」
- まとめ:正当な還付なら恐れる必要なし!不安ならプロにご相談を
1.なぜ?今年の確定申告で「消費税還付」が増えている背景
現場の体感として、消費税還付を受ける案件が増加している背景には、以下の要因がありそうです。
① コロナ禍での事業転換や「設備投資」の増加
感染症の影響を受け、店舗改装、感染防止対策、ITシステムの導入など、生き残りをかけた新たな設備投資(大きな支出)を行った事業者が増えました。売上に対して支払った消費税が一時的に上回るケースが多くなっています。
②コロナ禍での売上の大幅減少
飲食店が顕著ですが、コロナ禍により売上が大幅に減少し大きな赤字を計上したことで、売上に対して支払った消費税が上回るケースが多くなっています。
2.【注意】消費税の還付申告は税務署の「監視の目」が最も厳しい
「税金が戻ってくるなら嬉しい!」という単純な話でもありません。税務署にとって、消費税の還付は「国の金庫から直接お金を支払う手続き」です。そのため、通常の納税申告(税金を徴収する処理)の何倍も警戒して内容をチェックします。
過去に消費税の架空仕入れや不正還付を企てる悪質な事業者が後を絶たなかった背景もあり、税務署は還付申告に対して以下のような厳しいスタンスで臨んできます。
① 還付の理由について「お尋ね(文書・電話)」が届く
還付金額が小さい場合でも、このお尋ねが届く可能性が高いです。税理士が関与している場合は税理士に連絡がきます。これまで私が対応した案件だと、「なぜ還付になるのか、理由を教えてください。また請求書・契約書のコピーを提出してください」と連絡があり、その対応をしました。
② 実地の税務調査に発展する確率が高い
書類のやり取りで納得してもらえない場合や、還付金額が大きい場合は、税務調査の対象になる可能性が高いです。還付申告は「調査に入れば不正やミスを見つけやすい案件」として税務署内で選定されやすいのです。
3.税務調査・お尋ね(通知)を防ぐための「事前対策」
正当な取引に基づいた還付であれば、何ら恐れる必要はありません。しかし、税務署からの不要な疑いを避け、スムーズに還付金を受け取るためには、事前の準備が極めて重要です。
① 還付理由となった「契約書・領収書」を完璧に揃えておく
設備投資で還付を受ける場合は「見積書・契約書・請求書・領収書(振込控え)」の一式を、輸出取引なら「輸出許可書や発送控え」をすぐ提出できるように整理しておきましょう。
② 確定申告書に「消費税還付の主な理由」の明細を提出する
申告書を提出する際、あらかじめ「〇〇店舗の内装工事費(〇〇万円)の支払いがあったため」といった補記・明細書類を添えて電子申告(e-Tax)を行うことで、税務署側も納得し、不必要な問い合わせ(お尋ね)を減らすことができる可能性があります。
4.まとめ:正当な還付なら恐れる必要なし!不安ならプロにご相談を
今回は、今年の確定申告で増えている消費税還付の背景と、税務署のチェック体制について解説しました。
消費税還付は、正しく申告すれば事業者にとって手元のキャッシュ(資金)を増やす貴重な権利です。しかし、届出のタイミング(前年度末までの提出など)を1日でも間違えると還付が受けられなくなったり、帳簿の不備で税務調査が入って追徴課税を受けたりと、非常に専門性が高くリスクの大きい分野でもあります。
「昨年高額な買い物をしたから還付が受けられるか知りたい」「税務署から還付に関するお尋ねが来て困っている」という方は、ぜひ一度当事務所へご相談ください。