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2023年度の確定申告の振り返り
税理士業界の超繁忙期(1月〜3月の確定申告期)が概ね完了し、ここからは公認会計士としての決算・会計監査の超繁忙期(4月〜5月初旬)へと突入します。
当事務所においては、11月・12月決算の申告手続きに加え、3月決算企業の確定申告期限である5月末まで繁忙なスケジュールが続きますが、現在のところ進捗は極めて順調です。
毎年1月〜3月は税理士事務所への確定申告のお問い合わせが最も集中する時期ですが、2024年の確定申告期は、前年と比較すると新規問い合わせ件数や単発受託数が落ち着きを見せました。
また、既存の顧問先の多くが計画通りに早期資料提出へご協力くださったおかげで、無理のないスケジュール管理とクオリティの維持を両立することができました。
今回は、確定申告期の進捗データや新規受注減少の構造的要因、ならびに会計ソフト・譲渡所得実務における分析と今後の課題について整理します。
【目次】
- 確定申告の進捗状況と体制強化・業務効率化の取り組み
- 新規確定申告案件の受注件数が減少した2つの構造的要因
- 譲渡所得・住宅ローン控除に対する実務的アプローチ
- クラウド会計ソフトの操作性と業務効率への影響
- まとめ
1.確定申告の進捗状況と体制強化・業務効率化の取り組み
当事務所では、毎年3月8日前後の段階で「全件が申告期限内に無事完了する見通し」を立てられるよう、2月下旬から3月第1週にかけて集中的に作業を進めるリソース配分を行っています。
あらかじめ余裕を持ったバッファー(予備期間)を設定しておくことで、最終週に生じ得る「顧問先からの資料提出遅れ」等にも柔軟かつ確実に対応できる体制を整えています。
今後の内部体制と効率化ツール(STREAMED等)の活用
2023年に新規ご契約いただいた個人事業主が順次「青色申告」へ移行すること等を踏まえると、今後の確定申告期における全体工数は確実に増加していく見込みです。
しかしながら、現在ではパートスタッフの習熟度と対応能力が著しく向上しており、むやみに人員を増員する必要はないと判断しています。
また、これまでは銀行通帳やクレジットカードの「API同期化」による自動記帳に注力してまいりましたが、業種によっては同期化が難しいケースも増えております。 今後は「STREAMED(紙領収書・通帳の自動データ化ソフト)」等の記帳効率化ツールを本格的に組み込み、さらなる業務プロセスの標準化と生産性向上を図っていく方針です。
2.新規確定申告案件の受注件数が減少した2つの構造的要因
2024年確定申告期における新規受託数が前年比で約半分となった要因については、主に以下の2点が挙げられます。
① インボイス制度導入に伴う「需要の先食い」の反動
2023年は、過去最高の新規受注件数を記録しました。 その最大要因は、2023年10月のインボイス制度導入を控え、無申告状態にあった事業者が一斉に「過去の期限後申告およびインボイス登録」に踏み切ったためです。
この「特需」とも言える駆け込み需要が一巡したことで、2024年の新規問い合わせが落ち着くことは、無申告解消を専門とする当事務所にとっても事前に想定されていた通りの結果と言えます。
② 高工数業種に対する「受託制限」の継続
前年の受託数急増に伴い、既存顧問先へのサービス品質を最優先で維持するため、作業工数が極めて膨大になる一部の業種(データの複雑な物販等)については、問い合わせの段階で受付をお断りせざるを得ない状況が続きました。
3.譲渡所得・住宅ローン控除に対する実務的アプローチ
確定申告期においては、単発の「不動産・株式等の譲渡所得申告」や「住宅ローン控除の申告」に関するご相談も散見されます。
当事務所では原則として単発での譲渡所得申告はお受けしておらず、今回は既存の顧問先ご本人、またはその親族に関する土地譲渡案件のみに限定してサポートを実施しました。
📄 譲渡所得および住宅ローン控除の報酬相場に関する所感
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譲渡所得の申告: 納税者が想定する費用感と、税理士側が負担する税務リスク・エビデンス検証工数に対する適正報酬との間に大きなギャップが生じやすい分野。
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住宅ローン控除の申告: 費用対効果と責任リスクの観点から、当事務所においては世間一般の低価格な相場感で安易にお引き受けすることはありません。
4.クラウド会計ソフトの操作性と業務効率への影響
今回の確定申告期において、自計化(自社で記帳入力)を行っている顧問先が利用する一部の会計ソフトを操作する機会がありました。
当事務所がメインで活用している「freee」や「マネーフォワード」などのクラウド会計ソフトと比較した際、中途半端なクラウド会計ソフトについては、監査・チェック側の工数やストレスが著しく増加することを痛感いたしました。
事務所全体の生産性維持のためにも、推奨する会計ソフトの選定と導線設計の重要性を改めて認識する機会となりました。
5.まとめ
税理士業界は責任感が強い専門家が多く、過酷なスケジュールの中でも期限内申告をやり遂げるのが一般的です。しかし、その正義感が常態化することで、事務所の長時間労働(ブラック化)につながる側面もあります。
当事務所においては、組織体制の強化と業務ルールの標準化を推進し、健全な環境で高品質なサービスを提供できる体制を維持してまいります。
一方で、2月に新規開業された素晴らしい志を持つ個人事業主との顧問契約など、「心から応援したいと思える事業者」とのご縁については、リソースの許す限り柔軟にお応えし、共に成長を目指すパートナーとして伴走してまいります。