名古屋市で税理士・会計士をお探しなら梁瀬会計事務所「コラム・解決事例」ページ

営業時間:平日 9:00〜18:00(土日祝日も対応可能) 052-990-1575

CONTACT

News & Column

2024.03.19 コラム

確定申告の振り返り

税理士の超繁忙期が終わり、これから公認会計士の超繁忙期に突入します。1月から3月は確定申告の問い合わせが最も多い時期なのですが、今年は去年に比べると問い合わせが減り受注件数も少なかったこと、多くの顧問先がスケジュール通りに資料を提出してくれたこともあり、去年に比べると気持ち的には楽でした。去年は3月に過年度を含めた確定申告案件を受注したのがかなりきつかった記憶があります。とはいえ期限後申告の案件がいくつか残っているので、まだ完全に終わったわけではないのですが。

会計監査は2月と3月決算企業に関与していますので、期末決算の繁忙期が5月初旬まで続きます。その後3月決算企業の申告期限が5月末なので結局1月から5月までは仕事ばかりという事になりますが、今は少し余裕があるので今年の確定申告について振り返りました。

【目次】
  1. 確定申告の進捗
  2. 新規の受注件数は減少
    1. インボイス制度による需要の先食い
    2. 一部の業種を受注できなくなった
  3. 譲渡所得の申告が増加
  4. 会計ソフトについて
  5. まとめ

1.確定申告の進捗

3月8日頃には申告期限までに終わることが予測できる状況になりました。去年もそうでしたが、2月下旬から3月1週目が一番働いています。その期間に猛烈に突き進み、申告期限ぎりぎりになってばたばたするのを防ぐためです。どれだけスケジュール管理しても資料提出が遅れる顧問先は出てきますので、そういった顧問先を最終週に対応するためのバッファーでもあります。資料の提出が遅れると言っても、既に10か月分くらいは終わっている先がほとんどなので問題なく対処できるのですが、期限内に資料を提出できない方もいますので、それは期限後申告となります。

今年どの程度個人事業主の集客ができるか不透明ですが、去年受注した個人事業主が青色申告に切り替わること等を考えると、全体の工数は確実に増えます。とはいえ、パートさんのスキルも向上し担当範囲を増やすことができるので、これ以上パートさんを増やす局面でもなさそうです。また、これまでは通帳とクレジットの同期化に注力していましたが、それが難しい顧問先も増えてきましたのでSTREAMEDあたりも活用しながらより一層の効率化を図っていきます。

2.新規の受注件数は減少

単発の確定申告は集客対象ではない事もあり、そもそも問い合わせ件数は多くありません。そうはいっても、確定申告時期は税理士事務所への問い合わせが最も多い時期であり、当事務所も2023年はコラム経由で漫画家や絵師さんから問い合わせがありそれなりに新規案件を受注できた時期でした。しかしながら今年の受注件数は半分程度になりました。その理由を考えてみました。

1.インボイス制度による需要の先食い

2023年はこれまででダントツの受注件数でした。その最大要因はインボイス制度を理由とした無申告事業者からの問い合わせです。その反動が大きかったかなと。この点は予想通りと言えば予想通りです。私たちのように無申告・期限後申告をサポートしている税理士事務所にとっては容易に予想できていた事です。

2.一部の業種を受注できなくなった

2023年に想定以上の受注件数となった結果、工数を要する業種を受注する余裕が一気になくなりました。その結果、2023年の比較的余裕がある時期には受注を検討できた業種も、今は業種を伺った時点で「ごめんなさい」とお伝えしている状況です。本当に申し訳ないのですが、今の体制だとそうせざるを得ません。既存の顧問先に迷惑は絶対にかけられないので。今年に入って人員体制を拡充しているので、報酬に合意できることが大前提ですが業種関係なく受注できる体制にもっていきたいです。

3.譲渡所得の申告が増加

私は単発の案件は受注していないので、基本的には譲渡所得の申告は受けていません。今回も数件お断りしています。また住宅ローン控除の相談もありましたが、報酬とリスクが見合っていないと私は考えているので受けていません。しかしながら、顧問先が土地等を譲渡したケースや顧問先の親族が土地等を譲渡したのでサポートしてほしいという要望があり、既存顧問先の関係ある先のみ対応しました。

譲渡所得の報酬相場はよくわからないのですが、税理士が欲しい報酬と納税者が想定する報酬にかなりの差異がある気がします。住宅ローン控除は確実に差異があると思っています。私は世間の相場では絶対に受けません。費用対効果と税務リスクという両方の観点で合わないです。

4.会計ソフトについて

自計の顧問先はfreeeだけではなくそれ以外の会計ソフトも利用しています。今回初めてある会計ソフトを操作したのですが、操作性がひどすぎてびっくりしました。freeeやマネーフォワードと比較すると駄目さ加減が際立っていました。私はチェックするだけにも関わらずストレスが半端なかったです。今後、当該ソフトは勧めることはできません。

5.まとめ

資料提出に問題がある先を除き、ほとんどの会計事務所は何だかんだ期限内申告を達成しているのだと思います。この業界は基本的にまじめな方が多いでしょうし、期限内申告しなければならないという正義感も強いのだと思います。その結果としてブラックな働き方が常態化している事務所もあるのでしょう。私の事務所も人員が増えていますので、私以外はブラックな働き方にならないようにしないと。これ以上集客しなければ私もブラックな働き方から解放されそうですが、報酬が合意できれば受けてしまうでしょうね。実際に確定申告が終わった後、2月に開業した個人事業主の顧問契約を受注しましたし。その方は応援したくなる状況だったので、受ける余裕がなくても受注していたと思います。

 

 

この記事は更新日時点の情報となります。掲載の情報は法改正などにより変更になっている可能性があります。
また、この記事内容は結果を保証するようなものではありませんので、掲載されている情報を利用することで生じた、いかなる問題、損害等に対しても一切の責任を負いません。自己責任において、ご活用ください。