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2021.07.08 コラム解決事例(税務顧問)

交際費と情報提供料の区分

今回は交際費と情報提供料についてお伝えします。ここでの情報提供料とは、仕事の紹介やあっせんの対価として金銭を支払うことですが、建設業でよく聞くリベートやキックバックなども含まれます。電話で終わることが多いのですが、明らかにできないリベート・キックバックについての相談を時々受けます。例えば、リベートを受けている従業員がいてその会社に税務調査が入ってしまいどうしたら良いですかといった相談です。税理士業界では、明らかにできないキックバックなどはないので(多分)、建設業などは本当に大変だなと相談を受けるたびに感じます。

私が立ち会う税務調査は、そこまで規模の大きい会社や個人事業主ではないので、交際費800万円を超えるケースはなく、別の論点に波及するリベート・キックバックを除けば、今回の論点が税務調査で問題になることはほとんどありません。

【目次】
  1. 交際費等と情報提供料等の区分
  2. 税務調査で情報提供料と認めてもらう為に
    1. お金や商品券等を渡すことが契約に基づいていること
    2. 役務の内容が契約上明らかであり、かつ実際に役務の提供を受けていること
    3. 報酬がその仕事内容に対して妥当であること
  3. 情報提供を生業にする業者とは
  4. 取引先の従業員に対する支払いは
  5. まとめ

1.交際費等と情報提供料等の区分

国税庁HPによれば、交際費等と情報提供料等の区分について以下のように明記されています。

61の4(1)-8 法人が取引に関する情報の提供又は取引の媒介、代理、あっせん等の役務の提供(以下61の4(1)-8において「情報提供等」という。)を行うことを業としていない者(当該取引に係る相手方の従業員等を除く。)に対して情報提供等の対価として金品を交付した場合であっても、その金品の交付につき例えば次の要件の全てを満たしている等その金品の交付が正当な対価の支払であると認められるときは、その交付に要した費用は交際費等に該当しない。

  1. その金品の交付があらかじめ締結された契約に基づくものであること。
  2. 提供を受ける役務の内容が当該契約において具体的に明らかにされており、かつ、これに基づいて実際に役務の提供を受けていること。
  3. その交付した金品の価額がその提供を受けた役務の内容に照らし相当と認められること。

    (注) この取扱いは、その情報提供等を行う者が非居住者又は外国法人である場合にも適用があるが、その場合には、その受ける金品に係る所得が所得税法第161条第1項各号又は法第138条第1項各号に掲げる国内源泉所得のいずれかに該当するときは、これにつき相手方において所得税又は法人税の納税義務が生ずることがあることに留意する。

まとめると以下の通りです。特に問題になるのは、情報提供を生業にしていない業者に対する支払いですので、その点をより詳細にお伝えします。

  • 情報提供を生業にしている業者に対する支払いは交際費にあたらない
  • 上記業者以外に対する支払いは、以下の3要件を全て満たせば交際費にあたらない
    1. お金や商品券等を渡すことが契約に基づいていること
    2. 役務の内容が契約上明らかであり、かつ実際に役務の提供を受けていること
    3. 報酬がその仕事内容に対して妥当であること

2.税務調査で情報提供料と認めてもらう為に

1.お金や商品券等を渡すことが契約に基づいていること

契約に基づくと記載していますが、契約書が必要であるとまでは明記されていません。従って、契約書がないだけで交際費認定されることはありえませんが、調査官によっては契約書がないという理由で交際費認定する可能性があるため、その点は注意してください。とはいえ、税務調査では契約書があった方が交渉しやすいのは明らかですので、必ず契約書は作成しておきましょう。後ほどお伝えしますが、契約書の日付や契約金額には注意してください。

では、契約書がない場合どうなるのでしょうか。予め締結した契約に基づく必要があるので、何かしら証拠がないとそれを立証することはできません。私が働いていた監査法人などは議事録を作成する習慣がありますが、中小企業はそのような習慣はないと思います。そのため、業者とやり取りしたメールなどが一つの証拠になるのではないでしょうか。

2.役務の内容が契約上明らかであり、かつ実際に役務の提供を受けていること

契約内容が明らかで、その契約内容に基づき役務の提供を受ける必要があります。そのため、注意すべき点は、①契約書の日付が役務の提供前であること、②契約書に明記された報酬を支払うこと、です。当たり前の話ですが、契約書通りに進める必要があります。

3.報酬がその仕事内容に対して妥当であること

100万円の案件を紹介してもらって、120万円の情報提供料を払うことはあり得ません。赤字ですから。黒字確保できる条件をしっかりと検討した上で、紹介案件の請負金額50%相当といった形で契約書に明記することをお勧めします。因みに、税理士業界には顧問紹介サービスを提供している会社がたくさんあります。私は登録していませんが、紹介会社によっては、顧問料1年分の80%を報酬として請求する会社もあるようです。税理士の報酬はサブスクリプションモデルに近いので、80%支払ってもペイするとは思います。独立して間もない時期であれば、紹介会社を活用するのもありなのかもしれません。

3.情報提供を生業にする業者とは

そもそもですが、情報提供を生業にする業者の範囲は意外とよくわかりません。私たちは情報提供を生業にする業者と思っても税務署はそう判断しない可能性もあります。従って、確実に情報提供を生業にする業者であると認定できない場合は、上記3要件を満たす形で取引した方が無難です。

4.取引先の従業員に対する支払いは

まさしく建設業などでよく聞く取引先の従業員に対するリベート・キックバックです。これは、情報提供料ではないと明記されています。確かに、情報提供の対価というより謝礼に近いです。交際費と認定されることになります。しかし、そもそもの話ですが、このリベート・キックバックは、明かせないものであることがほとんどです。つまり、取引先の従業員が、取引先に内緒でお金をもらっているケースが多いためです。従って、交際費処理さえできないことが多いと推測されます。自社に税務調査が来た場合、取引先の従業員に払ったとはいえないからです。仮に交際費として処理した場合、以下のリスクを認識しなければなりません。

受け取った従業員は、確定申告していないケースがほとんどでしょう。その場合、情報提供料として支払った対価が取引先に帰属するという流れになる可能性があります。こうなると最悪のパターンです。高確率で取引先に反面調査に行かれ、今回の取引がバレることになります。当該従業員は辞めさせられるでしょうし、支払った側も関係悪化は必至です。従業員が確定申告したとしても、取引先に反面調査に行かれる可能性は否定できないため、交際費処理することはお薦めしません。本件は従業員不正という訳ではありませんが、関連するコラムを以前執筆していますので、参考にしてください。

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5.まとめ

今回は、交際費と情報提供料の区分についてお伝えしました。交際費総額が800万円を超えない場合はそれほど気にする必要もないのですが、それに近い金額の交際費支出がある会社は、交際費と情報提供料の区分をしっかりと理解しておく必要があります。

情報提供料については、顧問先だけでなく単発でも何度かご相談を受けたことがあります。その時は、今回のコラムの内容をそのままお伝えするのですが、特に契約書の作成が面倒だと感じるようです。単発で相談される方にはお渡ししませんが、顧問先には業務委託契約書の雛型はお渡しして、カスタマイズしてもらっています。こういった点も税務顧問を締結する1つのメリットかなと思います。

 

 

 

 

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