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2021.07.22 コラム

社員旅行が給与認定されない要件!非課税の条件と10万円基準

「会社の経費(福利厚生費)として落とした社員旅行の費用が、税務調査で『従業員や役員への給与(現物給与)』だと指摘されないだろうか?」
「海外旅行や高額な旅費の場合、どこまでが経費として認められるのだろうか?」

私はプライベートの時間まで会社の人間と一緒にいるのは微妙だなというスタンスでしたので、海外旅行が開催されたときも私は行きませんでしたが、それは人それぞれです。

社員旅行(レクリエーション旅行)の費用は、本来であれば会社が全額「福利厚生費」として経費処理できる魅力的な制度です。

しかし、一定の要件を満たしていない場合、税務調査で「実質的な給与(現物給与)」と判定され、会社側は源泉所得税の追徴課税を受けたり、役員分が役員賞与として損金不算入(経費化不可)にされたりする税務リスクを背負うことになります。

今回は、社員旅行が給与認定されないための3大要件と、税務調査で否認されないための注意点について分かりやすく解説します。

【目次】
  1. 社員旅行が給与認定(課税)されないための3大要件
  2. 旅費の上限金額はいくらまで?(1人10万円の保守的基準)
  3. 【落とし穴】不参加者への現金支給や「3年で20万」の誤解
  4. まとめ:要件を厳格に守って源泉所得税・損金不算入リスクを回避

1.社員旅行が給与認定(課税)されないための3大要件

所得税基本通達36-30において、会社の費用負担による社員旅行が「非課税(福利厚生費)」として認められるためには、以下の3つの要件をすべて満たす必要があります。

① 旅行期間が4泊5日以内(海外は現地滞在日数)

国内旅行はもちろん、海外旅行の場合であっても目的地(現地)での滞在日数が「4泊5日以内」である必要があります(※移動日は除きます)。

② 全体の50%以上の従業員が参加していること

全社一斉でなくても、工場単位・支店単位・部署単位での開催で問題ありませんが、その部署等の所属人数のうち「50%以上」が参加していなければなりません。強制参加の会社が多い背景には、この50%要件をクリアする狙いもあります。

③ 金額が社会通念上「高額すぎない」こと

あまりに豪華な旅行費用を会社が負担した場合、「経済的利益の供与(給与)」と見なされます。

▼社員旅行の税務判定チェックリスト表
チェック項目 非課税(福利厚生費)の判定基準 給与認定(課税)リスク
① 旅行期間 4泊5日以内(海外旅行は現地滞在日数)。 〇 クリアで非課税
② 参加割合 全社または部署ごとの人数の50%以上が参加。 〇 クリアで非課税
③ 1人あたりの費用 会社負担額が10万円前後(目安)の実用範囲。 20万円超等は注意!
✕ 不参加者への現金給付 旅行に行かない人に、金銭やギフト券等を補填支給。 一発アウト!全額給与課税
(参加者も含め全額給与扱い)

2.旅費の上限金額はいくらまで?(1人10万円の保守的基準)

国税庁の基本通達やホームページには、「1人あたり〇〇万円まで」という具体的な金額基準は明記されていません。

過去の裁決例(平成3年国税不服審判所裁決)では、1人あたり約18万4,000円のタイ旅行費用が「社会通念上一般的」として福利厚生費として認容された事例も存在します。

しかし、税務実務においては「会社負担額が1人あたり10万円程度」を一つの安全基準(保守的な目安)として計画を立てることが推奨されます。15万〜20万円を超えてくると、税務調査で給与認定されるリスクが跳ね上がります。

3.【落とし穴】不参加者への現金支給や「3年で20万」の誤解

実務で非常に多く発生する不手際・誤解のケースが以下の2点です。

①自己都合で参加しなかった人への「現金支給」で全員が即課税!

「自己都合で旅行に行かなかった従業員に、旅行代相当の現金(または金券)を支給する」という対応を行うと、参加した人・不参加だった人の全員に対して「給与が支給された」と判定され、旅行費用全額が課税対象(源泉所得税の追徴)となる可能性があります。

②「3年に1回だから20万円でも大丈夫」は通用しない

「毎年開催せず3年に1回にするから、1人20万円(1年あたり約6.6万円)なら10万円以下で問題ないだろう」という考え方は、国税不服審判所の裁決等で否定されています。あくまで「1回の旅行ごとの実質負担額」で判定されます。

4.まとめ:要件を厳格に守って源泉所得税・損金不算入リスクを回避

今回は、社員旅行が給与認定されないための要件と注意点について解説しました。

税務調査で社員旅行が「給与」と認定されてしまうと、追徴された源泉所得税を退職者等から回収することは実務上不可能です。さらに役員分の旅費は「役員賞与」と見なされ、会社の損金(経費)として一切認められない(損金不算入)というダブルの打撃を受けます。

従業員への還元策として社員旅行を実施する際は、「4泊5日以内・参加率50%以上・1人10万円以内・不参加者への金銭補填なし」のルールを徹底する必要があります。

梁瀬会計事務所では、愛知県名古屋市を拠点として、愛知・岐阜・三重を中心に全国の法人・個人事業主の資金繰り改善、適正な節税・福利厚生費の処理、役員賞与の損金不算入リスクを回避した決算・確定申告をサポートしております。

「自社の社員旅行の費用が経費として認められるか確認したい」「適正な節税対策や決算処理についてプロに相談したい」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。

 

 

 

 

 

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