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2021.05.11 コラム

補助金の収益認識時期について

2020年は、コロナ感染症の影響で、飲食業など厳しい業況に見舞われた会社も多いのではないでしょうか。そのため、持続化給付金、雇用調整助成金、家賃支援給付金を申請した企業・個人事業主も多いかと思います。2021年は、一時支援金、月次支援金、事業再構築補助金でしょうか。事業再構築補助金については、予算も半端ないので、補助金支援ビジネスをしている会社は、かなり儲かると思います。少し話がずれましたが、今回は補助金の収益認識についてお伝えします。

【目次】
  1. 法人税の収益計上時期は
  2. 雇用調整助成金の収益計上時期は
  3. まとめ

1.法人税の収益計上時期は

法人税法22条2項では、収益の計上時期として、収入とすべき権利が確定した事業年度としています。つまり権利が確定した日です。そのため、通常、国や自治体から補助金を収受する場合、補助金等の交付が決定された日となります。そのため、持続化給付金は、支給決定時に収益を認識すればよかったのですが、少々ややこしいのが雇用調整助成金です。以下、雇用調整助成金についてお伝えします。

2.雇用調整助成金の収益計上時期は

法人税基本通達では、雇用調整助成金については休業の事実があった日の属する事業年度とされており、仮に申告書提出時点で雇用調整助成金の金額が確定していない場合でも、見積計上することを求めています。
趣旨としては、費用と収益を対応させるという昔からある考え方に基づいている点と、国税は、たくさんの税金を徴収することを重視しているので、経費を先に認めてしまうとその大前提と整合しないという事情もあるのかなと思ったりします(経費である休業手当が先に計上され、収益である助成金が後に計上される。つまり、経費計上が先行してしまう)。

3.まとめ

今回は雇用調整助成金の収益計上時期についてお伝えしました。当税理士事務所の顧問先で、コロナに伴い雇用調整助成金を申請した会社がありましたが、顧問社労士が全て対応しました。別のコラムでもお伝えしましたが、コロナのような有事の時に、顧問弁護士、顧問社労士、顧問税理士などのスペシャリストがいると、本当に助かることが多いなと実感しました(⇐顧問先がしみじみとそうお話しされるので)。

 

法人税基本通達

(法令に基づき交付を受ける給付金等の帰属の時期)

2-1-42 法人の支出する休業手当、賃金、職業訓練費等の経費を補填するために雇用保険法、労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律、障害者の雇用の促進等に関する法律等の法令の規定等に基づき交付を受ける給付金等については、その給付の原因となった休業、就業、職業訓練等の事実があった日の属する事業年度終了の日においてその交付を受けるべき金額が具体的に確定していない場合であっても、その金額を見積り、当該事業年度の益金の額に算入するものとする。
(注) 法人が定年の延長、高齢者及び身体障害者の雇用等の雇用の改善を図ったこと等によりこれらの法令の規定等に基づき交付を受ける奨励金等の額については、その支給決定があった日の属する事業年度の益金の額に算入する。

法人税法

第三款 益金の額の計算
第一目 収益の額
第二十二条の二 内国法人の資産の販売若しくは譲渡又は役務の提供(以下この条において「資産の販売等」という。)に係る収益の額は、別段の定め(前条第四項を除く。)があるものを除き、その資産の販売等に係る目的物の引渡し又は役務の提供の日の属する事業年度の所得の金額の計算上、益金の額に算入する。
2 内国法人が、資産の販売等に係る収益の額につき一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従つて当該資産の販売等に係る契約の効力が生ずる日その他の前項に規定する日に近接する日の属する事業年度の確定した決算において収益として経理した場合には、同項の規定にかかわらず、当該資産の販売等に係る収益の額は、別段の定め(前条第四項を除く。)があるものを除き、当該事業年度の所得の金額の計算上、益金の額に算入する。
3 内国法人が資産の販売等を行つた場合(当該資産の販売等に係る収益の額につき一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従つて第一項に規定する日又は前項に規定する近接する日の属する事業年度の確定した決算において収益として経理した場合を除く。)において、当該資産の販売等に係る同項に規定する近接する日の属する事業年度の確定申告書に当該資産の販売等に係る収益の額の益金算入に関する申告の記載があるときは、その額につき当該事業年度の確定した決算において収益として経理したものとみなして、同項の規定を適用する。
4 内国法人の各事業年度の資産の販売等に係る収益の額として第一項又は第二項の規定により当該事業年度の所得の金額の計算上益金の額に算入する金額は、別段の定め(前条第四項を除く。)があるものを除き、その販売若しくは譲渡をした資産の引渡しの時における価額又はその提供をした役務につき通常得べき対価の額に相当する金額とする。
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