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趣味との境界線!取材費や衣装代の防衛策|愛知県在住の電子漫画家の税務調査
今回は、愛知県在住の漫画家(主に電子コミックの作家)の方からいただいた、税務調査のご相談事例をご紹介します。
最近はコミックシーモアなどの電子書籍サイトが非常に盛んで、私も最近登録して読み始めました。ちなみに、デジタル版と紙の単行本でどれくらい価格が違うのか気になって『鬼滅の刃』の最終23巻で比較してみたところ、デジタル版が481円、紙版が506円と、意外と大差ないことに驚きました。
この事案では、私は事前の面談相談のみで、実際の調査現場には立ち会っていません。 お話を伺ったところ、申告内容に悪質なミスや隠蔽が一切なく、注意すべきポイントさえ事前に頭に入れておけばご自身で十分に乗り切れると判断したためです。「立ち会い費用を払うのはもったいないですよ」とお伝えしました。
今回は、その際にアドバイスした「漫画家・クリエイター特有の税務調査のポイント」を共有します。
【目次】
- 漫画家の売上:出版社からの「支払調書」と「その他の収入」
- 漫画家の経費:税務署ともめやすい「趣味と仕事」の境界線
- 取材に要した費用(交通費・宿泊費など)
- 漫画・ゲームの購入、フィギュア等の資料代
- 衣装の購入費用
- まとめ
1.漫画家の売上:出版社からの「支払調書」と「その他の収入」
漫画家の主たる収入である「原稿料」や「印税」は、基本的に出版社から送られてくる「支払調書」をベースに申告します。
実は、税務署も出版社側から同じ内容の支払調書を受け取っているため、ここの数字をわざと過少に申告すれば一発でバレますし、悪質な場合は重加算税の対象になります。普通に処理していれば間違えようがない部分です。
税務調査で問題になりがちな「隠れた収入」
問題になりやすいのは、支払調書が発行されない、以下のような「その他の収入」です。
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グッズのネット販売
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コミックマーケット(コミケ)等の同人誌即売会での「現金売上」
特に即売会の現金売上は「税務署にバレにくいだろう」と未申告のまま放置してしまう方が一部にいるため、税務署はここを徹底的にチェックします。
税務調査の現場では、単に税金を追加徴収するだけでなく、「意図的な隠蔽(重加算税)」を見つけることが高く評価される傾向にあります。金額が小さくても厳しく見られる部分ですので、漏れなき申告が必要です。
2.漫画家の経費:税務署ともめやすい「趣味と仕事」の境界線
漫画家の税務調査において、議論になるのが「経費が本当に事業に必要なのか」という点です。クリエイター業の経費は、一般的な会社員や税務署の感覚からすると「ただの趣味の買い物や旅行」に見えがちだからです。
特に以下の3つの経費については、論理的な説明が不可欠です。
1.取材に要した費用(交通費・宿泊費など)
ストーリーや背景のために現地へ取材に行く費用は、原則として経費にできます。 ただし、調査官は「ただのプライベート旅行ではないか?」という疑いの目を向けます。
取材した場所が、実際に作品の背景やエピソードとして描かれていれば、これ以上ない客観的な証拠になります。「〇巻の〇ページにこの風景を使っています」と言えれば認められます。
プライベートと混ざっている場合、100%経費にするのはNGですが、「仕事50%、旅行50%」といった形で合理的に按分して計上することは認められます。
その際は「なぜ50%なのか」の根拠を説明できるようにしておきましょう。絶対にやってはいけないのは、100%プライベートの家族旅行なのに「取材だ」と嘘をつくことです。
2.漫画・ゲームの購入、フィギュア等の資料代
他社の漫画、ゲーム、映画のDVD、作画の参考にするためのフィギュアや資料の購入費も、事業に必要であれば経費です。
例えば、青春系の漫画を描いている作家さんであれば、ツルモク独身寮の購入費用は経費になる可能性があります(ツルモク独身寮を書きたかっただけです)。ロボット系の漫画を描いている方の場合、ガンダムのフィギュアなども経費として認めてもらう事は可能ではないでしょうか。
「自分の作品の〇〇の描写(あるいはシナリオ構成)の参考にするために購入した」と、事業との関連性を説明できるように意識しておくだけで、税務署への説得力が全く変わります。
3.衣装の購入費用
衣装代は、上記2つに比べて経費認定のハードルが一段と高くなります。 日常的にも着回せる私服を「これは打ち合わせ用」「サイン会用」と言っても、まず認められません。
「女性作家が、男性用スーツの構造やシワの入り方を実際に着て研究するために購入した」など、明確な意図があれば認められる可能性が高くなります。衣装代の計上については判断が繊細なため、事前に税理士に相談しておくのが安全です。
3.まとめ
今回は、漫画家の税務調査における独特な論点について解説しました。クリエイター業の税務調査を乗り切るカギは、「自分の作品作りに、なぜその出費が必要だったのか」を調査官にわかりやすく説明すること、これに尽きます。
当税理士事務所は、形式的なアドバイスだけでなく、漫画家やWebクリエイターといったビジネスの実態を深く理解したサポートを行っています。
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「税務調査の通知が来てパニックになっているが、誰にも相談できない」
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「自分の経費の入れ方が適正なのか、プロの意見を聞きたい」
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