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建設国保は法人成り後も継続できる?適用除外の手続きと有利判定
「建設業で個人事業主として稼げるようになってきたので法人成り(法人化)したいが、加入している建設国保(全建愛知など)はどうなってしまうのだろうか?」
建設業を営む個人事業主から非常に多くいただくご質問です。
原則として、法人設立を行うと「協会けんぽ+厚生年金」への強制加入が義務付けられますが、所定の手続き(健康保険適用除外承認申請)を行うことで、法人成り後も「建設国保」をそのまま継続利用することができます。
今回は、法人成り後の建設国保の継続仕組みと、協会けんぽとの保険料比較(どちらが得かの境界線)、失敗しない法人成りシミュレーションのポイントについて解説します。
【目次】
- 法人成りすると重くのしかかる「社会保険料」の現実
- 法人成り後も「建設国保」を継続できる「健康保険適用除外手続き」とは
- 【試算比較】協会けんぽ vs 建設国保!得になる役員報酬のボーダーライン
- まとめ:過去の実績と将来予測をもとに失敗しない法人成り判断を
1.法人成りすると重くのしかかる「社会保険料」の現実
法人を設立すると、従業員ゼロで「代表取締役社長1人の会社」であっても、法律によって社会保険(健康保険・厚生年金)への加入が強制的に義務付けられます。
個人事業主の時代と比べて、法人成り後は「会社負担分」と「個人負担分」の双方を支払う構造になるため、社会保険料の負担額が跳ね上がります。
法人成りによる社会保険料の増額イメージ
🔗関連コラム:個人事業主の法人化(法人成り)は本当に得?税理士が語る判断基準
上記のコラムでは、2つのケースでの負担額をお示ししましたが、以下の通り、社会保険負担の影響がとても大きいことがわかります。
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従業員なし(社長一人)の個人事業主: 年間約15万円の負担増
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従業員4名の個人事業主: 年間約260万円の負担増
そのため、社会保険料の増額コストをいかに適正化(圧縮)するかが経営の生命線となります。
2.法人成り後も「建設国保」を継続できる「健康保険適用除外手続き」とは
通常、法人成りすると「国民健康保険」や「建設国保」からは脱退し、協会けんぽへ切替となります。
しかし、全建愛知や愛知建設組合などの建設国保(国民健康保険組合)に個人事業主時代から加入している場合、法人設立から14日以内に年金事務所へ「健康保険適用除外承認申請」を提出することで、健康保険は「建設国保のまま」、年金のみ「厚生年金」へ切り替える特例が認められています。
ポイントは、「建設国保の保険料は所得(役員報酬)に連動せず、年齢や家族構成等で定額的に決まる」という点です。所得が大きい(役員報酬が高額な)経営者ほど、建設国保を継続した方が保険料を大幅に抑えられる可能性が高くなります。
3.【試算比較】協会けんぽ vs 建設国保!得になる役員報酬のボーダーライン
このコラムを執筆したきっかけは、ちょうど今、建設国保に加入されている名古屋市の個人事業主が法人化を検討していたためです。この事例をもとに、どちらが有利になるかをシミュレーションしてみます。
法人成り後の建設国保の保険料は「約34,000円/月」になるとの事でした。そして、協会けんぽで同等の負担額になる役員報酬は「月額30万円(標準報酬月額30万円で約35,130円/月)」となります。
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役員報酬が月額30万円未満:「協会けんぽ」の方が保険料が安い傾向
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役員報酬が月額30万円以上:「建設国保」を継続した方が格段にお得!
建設業で法人成りする経営者は、月額40万〜50万円以上の役員報酬を設定されるケースが多いため、適用除外手続きを行って建設国保を継続選択するのが圧倒的に有利になります。
4.まとめ:過去の実績と将来予測をもとに失敗しない法人成り判断を
今回は、建設国保に加入している個人事業主の法人成りにおける保険料比較と選択肢について解説しました。
法人成りを検討する際、単に「直近1年分の確定申告書」だけで判断するのは危険です。コロナ禍や資材高騰などの影響を受けた年度は、給付金などの一時的収入が混ざっていたり売上が変動しているため、最低でも過去3年分の決算データと将来の受注予測をもとに有利・不利判定を行う必要があります。
状況によっては「今は無理に法人化せず、個人事業主のまま様子を見る」という判断が最善となるケースも少なくありません。
梁瀬会計事務所では、愛知県名古屋市を中心とした建設業・一人親方の事業者の法人成りシミュレーションを多数手がけております。
「自分が法人成りして建設国保を継続した方が得か知りたい」「過去3年分のデータで正しい法人成り試算をしてほしい」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。
この記事は更新日時点の情報となります。掲載の情報は法改正などにより変更になっている可能性があります。
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