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個人事業主として開業した後に節税のためにやるべき事
会社員に副業が認められる時代が来ました。以前、みずほフィナンシャルグループが週休3~4日制度の導入を検討しているというニュースがありました。これは経営側の様々な思惑もありそうですが。また、私が以前所属していた日本IBMを調べてみましたが、短時間勤務制度を導入しているようです。よって、副業が容認されているのだと思います。今後、会社に属しながら個人事業主としてお金を稼ぐ方が増えていくと思います。そこで、今回は、これから個人事業主としてお金を稼ぐ方に向けて、節税というキーワードで何をやっていくべきかについてお伝えします。
【目次】
- 個人事業主として開業したらまずやるべきこと
- 青色申告承認申請書の提出
- 青色事業専従者給与に関する届出書
- 事業専用の銀行口座とクレジットカードの作成
- 事業を進めていく中で、継続的にやるべきこと
- レシートや領収書を保管する
- 経費の支払いは可能な限りクレジットカードで
- まとめ
1.個人事業主として開業したらまずやるべきこと
提出しようがしまいが節税とは関係が深くない書類は、このコラムでは特段取り上げません。具体的に言うと、開業届、源泉所得税納期の特例の承認に関する申請書、給与支払事務所等の開設届出書などの提出でしょうか。詳細は、こちらを参考にしてください。
個人事業主になるには?必要な届出や個人事業主になってからやること
1.青色申告承認申請書の提出
これは必ず提出してください。この申請書を提出することで享受できる最大のメリットは、所定の要件を満たすことで65万円の特別控除を受けることができる点です。65万円控除の適用要件は、以下のコラムに概要を紹介しています。
令和2年分確定申告-青色申告特別控除65万円の変更点
簿記の知識がないと、複式簿記での記帳がハードルが高いです。freeeやマネーフォワードを活用することで、そのハードルはかなり低くなっているものの、それでも難しい方もいると思います。その場合は税理士に記帳を依頼するしかないかなと思います。安くで済ませたいのであれば、顧問契約を締結せずに確定申告の作成のみを受ける税理士もいますので(当税理士事務所では対応していません)、そのような税理士に依頼するのもありです。注意点としては、確定申告のみを税理士に依頼していますので、節税対策等は期待してはいけません。当たり前ですが、安くですませるのであれば、税理士が提供できるサービスも限られます。
これ以外にも青色申告のメリットがあります。この点、別のコラムでまとめていますのでそちらを参照してください。
2.青色事業専従者給与に関する届出書
この届出書を提出することで、家族への給与支払いを経費にすることができます。配偶者等への支払いは、家族内でのお金をやり取りで、家族外にお金が出ていく訳ではありません。にも関わらず支払った給与が経費として処理できますので、実際に皆様の下で働いている家族がいるのであれば、必ず届出書を提出してください。実際は働いていないにも関わらず給与を払っても、それは税務調査で否認されますので、働いている実績は必要です。
白色申告の場合、この青色事業専従者給与と同じような仕組みとして、白色申告の事業専従者給与があります。配偶者等に給与を支払うという点では同じなのですが、相違する点もあります。このコラムをご覧になった方は、青色申告して頂けると思いますが、今年までは白色申告という方もいるはずです。従って、白色申告を提出する方は、こちらもご参照ください。
確定申告の注意点-白色申告の事業専従者給与
3.事業専用の銀行口座とクレジットカードの作成
直接的に節税につながる事項ではないのですが、間接的につながるためお伝えします。65万円控除を受けるには、複式簿記で記帳する必要があるとお伝えしました。会計システムに銀行口座とクレジットカードを登録することで、複式簿記がより容易になります。ですので、事業用としてのみ使う銀行口座とクレジットカードを作成し、それを会計システムに登録することを強くお勧めします。
2.事業を進めていく中で、継続的にやるべきこと
1.レシートや領収書を保管する
節税の大事なポイントは、経費をもれなく計上することです。そのために一番大切なのは、レシートや領収書をしっかりと保管することです。税務調査でも、領収書やレシートがないと、経費として支払ったことを立証することが難しいため、交渉が難航します。特に、現金払いの外注費は、税務調査では特に揉めますので、必ず保管してください(必ず貰うようにしてください)。
2.経費の支払いは可能な限りクレジットカードで
経費をクレジットカードで支払う事で、レシートなどをなくした場合でも、経費計上の漏れを防ぐことができます。そのため、クレジットカード払いが可能な場合は、クレジットカードで払いましょう。また、クレジットカードで支払う事で、支払を1カ月程度遅らせることができることから資金繰りの観点でも有効です。
3.まとめ
今回は、個人事業主が開業した後にやるべきことを、節税という観点でお伝えしました。個人事業主は、法人と比較すると節税手段は多くありません。そのため、今回取り上げた節税対策は必ずやって頂き、その上で、小規模企業共済の加入、ふるさと納税の活用、建設業であれば建設国保の加入などをご検討ください。これらはメリット・デメリットがありますので、不利にならないように、税理士に相談することをお勧めします。当税理士事務所の顧問先では、建設国保に切り替える方は増えています。
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